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戦力外通告、大物選手は何を考えるのか「必要とされなくなればクビになるだけ」「故郷を失った自分は…」

posted2020/11/04 18:00

 
戦力外通告、大物選手は何を考えるのか「必要とされなくなればクビになるだけ」「故郷を失った自分は…」<Number Web> photograph by KYODO

楽天退団後、ドジャースのマイナーリーグ入団テストを受けた下柳。合格には至らなかった(右はラソーダ元監督)

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NumberWeb編集部

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雑誌「Sports Graphic Number」と「Number Web」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回は“戦力外通告”について触れたプロ野球選手たちの言葉です。

<名言1>

 必要とされなくなればクビになるだけ。

(下柳剛/801号 2012年4月5日発売)

◇解説◇

 ダイエー、日本ハムでタフなサウスポーとして頭角を現した下柳。2003年に星野仙一監督率いる阪神に加わると、10勝を挙げる活躍でセ・リーグ制覇の原動力となった。

 2005年の最多勝(15勝)を含めて阪神では計5度の2ケタ勝利を経験したが、未勝利に終わった2011年限りで阪神から戦力外通告を受けた。

 それでも下柳はしぶとかった。44歳となる2012年、テスト生として楽天のキャンプに参加し、正式契約を勝ち取った。年俸は前年までプレーしていた阪神での9000万円から1500万円へと激減したが、現役にこだわったのである。

 キャンプ地では誰よりも早くグラウンドにやってきては、黙々と調整していたという。

 野球に真摯に取り組む姿勢は若手の手本となる──そういう意図が首脳陣にあったのかもしれないが、プロは活躍してナンボ。一軍登板4試合にとどまり、わずか1年で再び戦力外通告を受けた。

【次ページ】 2005年以降は流浪の野球人生となった

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