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名将デニスの“継承者”、小川伸也。
B1リーグ滋賀ACから宿敵・京都HCへ。 

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白井邦彦

白井邦彦Kunihiko Shirai

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photograph byKunihiko Shirai

posted2020/08/16 08:00

名将デニスの“継承者”、小川伸也。B1リーグ滋賀ACから宿敵・京都HCへ。<Number Web> photograph by Kunihiko Shirai

京都ハンナリーズの新ヘッドコーチに就任した小川伸也。今季大幅に若返ったチームをどう率いるか。

名将デニスHCの下で3年間コーチングを叩き込まれた。

 ショーン・デニスHCと言えば、Bリーグを代表する名将の1人だ。

 Bリーグ誕生前の2016年8月には、B1コーチライセンス資格およびJBA公認S級コーチ養成講習会に招聘された2人の講師のうちの1人。もう1人はアルバルク東京をB1リーグ2連覇へ導いたルカ・パヴィチェヴィッチHCである。

 その名将デニスHCの下で3年間みっちりコーチングを叩き込まれた日本人は小川だけ。いわば、デニス・イズムの継承者である。

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 その名将がレイクスのHCに就任した際、こんな話をしていた。

「私の仕事の1つは、彼ら(※)をヘッドコーチに育てることだ。結果として、彼らに自分の席(HC)を奪われても構わない。それも私の喜びの1つだ」(※彼らとは小川伸也と根間洋一ACの2人を指す。根間は現在、滋賀レイクスターズU15ヘッドコーチ兼育成ディレクターを務めている)

 愛弟子のハンナリーズHC就任を誰よりも祝福したのは、ショーン・デニスHCだった。

チーム作りのキーワードは当事者意識。

 小川HCは、デニスHCから「コーチングというものをゼロから教えてもらいました」と言う。

 戦術・戦略はもちろん、チームを1つにまとめるためのアプローチなど内容は多岐にわたるらしく、ここでは紹介しきれない。強いて挙げるなら「当事者意識を持たせること」だと話す。

「選手だけではなく、スタッフも含めて全員に当事者意識を持ってもらうことは大きなテーマだと考えています。

 例えば、トレーナーが試合に勝っても負けても無表情なチームよりも、僕は勝ったら喜び、負けたら悔しがるチームの方がいいチームだと考えます。昨シーズンのレイクスは実際にそういうチームでしたし、それはショーンさんが3年かけて作り上げてきたレイクスのカルチャーだと思います。

 ハンナリーズも、単に業務をこなすのではなく、全員が自分のことだという当事者の意識を持って戦える集団にしたい。それが、自分で考えて行動する“自立”につながると思いますし、そういうチームはやっぱり強いですよね」

【次ページ】 ディフェンス、リバウンド、ルーズボール。

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