バスケットボールPRESSBACK NUMBER
名将デニスの“継承者”、小川伸也。
B1リーグ滋賀ACから宿敵・京都HCへ。
posted2020/08/16 08:00
text by
白井邦彦Kunihiko Shirai
photograph by
Kunihiko Shirai
2019-20シーズンのオフ、B1リーグ滋賀レイクスターズ(レイクス)に衝撃が走った。
キャプテン狩野祐介をはじめ、東京五輪日本代表のシェーファーアヴィ幸樹、佐藤卓磨、成長著しい高橋耕陽、齋藤拓実ら主力がチームを離れたのだ。
そして7月6日には、小川伸也アシスタントコーチ(AC)の退団も発表。地元・滋賀県出身で、選手および指導者として12年間をレイクスで過ごした彼の退団は、少なからずレイクス・ファンを落胆させた。
ADVERTISEMENT
さらに、7月23日には、小川の京都ハンナリーズ(ハンナリーズ)ヘッドコーチ(HC)就任が発表された。
レイクスとハンナリーズは、bjリーグ時代の2009-2010シーズンからのライバル関係。熱狂的で知られるレイクス・ブースターたちは、当然、ざわついた。
「HCになる覚悟が自分にはあるのかどうかで悩みました」
だが、小川HCとレイクスとの間には特に揉め事もなく、むしろ円満退団に近かったようだ。
「24歳から36歳までずっとレイクスでお世話になっていて、今もBリーグに携われているのはレイクスのおかげです。感謝という表現では表せない想いがあります。
だから、ハンナリーズからオファーをいただいた時は悩みました。ハンナリーズだから悩んだというよりは、HCになる覚悟が自分にはあるのかどうかで悩みました。
選手を使う・使わないはHCの判断になりますし、その決断が場合によっては選手を契約満了に追い込んでしまう可能性もある。中途半端な覚悟だと、そういう重圧に飲み込まれてしまう可能性もありますから。
自分を育ててくれたショーンさん(レイクスのショーン・デニスHC)にも相談しました。その時、ショーンさんは最初に“おめでとう”と言ってくれた。その言葉が僕を後押ししてくれました」