ボクシングPRESSBACK NUMBER
WBC世界王者12度防衛、“神の左”
山中慎介が語る「縄跳びのススメ」。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byHiroaki Yamaguchi
posted2020/05/05 20:00
WBC世界バンタム級王者を12度防衛したレジェンド、山中慎介にとってもロープ(縄跳び)は重要なトレーニングの1つだった。
「バランス感覚や体幹の強化にもなる」
――縄跳びにはどんな効果がありますか?
「有酸素運動なので心肺機能の向上は当然のこと、上半身、下半身と全体のトレーニングになっているのもいいですよね。バランス感覚や体幹の強化にもなるし、いろんな効果があると思いますよ」
――現役時代はトレーニングに入る前のウォーミングアップでロープをやっていたと思いますが。
「そうですね。ストレッチをじっくりやってから次、ロープに入ります。3ラウンド分、インターバルの時間も休まないので10分、11分跳んでから次のシャドーボクシングに移るようにしていました。練習最後のクールダウンでもロープをやるようにしていました」
「リズミカルに戦える人って、大体ロープもうまい」
――ボクサーのロープは片足でリズムを取る「ボクサー跳び」のイメージもあります。片足で跳ぶ回数を増やしたり、ひざを上げたりとバリエーションも多い。
「やっぱりボクサーはリズム感が重要。ロープを跳ぶ足のステップがボクシングのフットワークやパンチのコンビネーション、スムーズな体重移動にもつながります。
僕のボクシングの生命線は足だったので、ロープは凄く大切なトレーニングでした。
バリエーションが多いのは、どんな跳び方をしようかって頭も使っていかなきゃいけないから。体も頭も使うことでそれがボクシングに活きているなっていう感覚はありました」
――なるほどロープのリズムが、ボクシングのリズムにつながるわけですね。
「ボクシングでリズミカルに戦える人って、大体ロープもうまいなっていうのが僕の印象です。たとえば辰吉(丈一郎)さんや(フロイド・)メイウェザーとか。動画でロープを見たことありますけど、凄くリズムがいいので勉強になりました」