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三浦隆司のボンバーレフトが炸裂!
ローマン戦、戦慄のボディーブロー。

posted2020/04/29 11:30

 
三浦隆司のボンバーレフトが炸裂!ローマン戦、戦慄のボディーブロー。<Number Web> photograph by Naoki Fukuda

強烈な左を武器にWBCスーパーフェザー級王者を4度防衛した三浦。写真は3度目の防衛を果たしたエドガル・プエルタ戦。

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph by

Naoki Fukuda

 私のナンバー1。

 Number1000号「ナンバー1の条件。」にちなんだ記事の依頼を受けて何を書こうかなとずっと考えていたら3週間も経ってしまった。

 テーマがなかなか見つからず、外出しての取材もできないため「何か書くヒントがないかな」とふとスポーツ番組を探ってみる。

 WOWOWのボクシング番組「エキサイトマッチ」は現在、試合が開催されていないため一人のボクサーを特集する企画が多い。その日は“ボンバーレフト”こと元WBC世界スーパーフェザー級王者・三浦隆司編だった。

 激戦のオンパレード。どの試合も手に汗握って観ていた記憶がよみがえる。

 ああ、これだ、これを書きたい。あのナンバー1のボディーブローを――。

「地獄」がそこにあった。

 3年前、まさに「エキサイトマッチ」を通じて目撃した一発。観ているこっちまで思わず顔をしかめてお腹を押さえてしまったほど衝撃を受けたシーンを思い出した。

 ボディーは地獄の苦しみ。

 ボクシングの世界でよく使われる言葉である。「地獄」がそこにあった。

 2017年1月28日、米国カリフォルニア州インディオ。

 フランシスコ・バルガスにベルトを奪われた前王者の三浦は次期挑戦者決定戦として同級2位・ミゲル・ローマンと対戦した。バルガスとミゲール・ベルチェルトのタイトルマッチの前座で行なわれた。

 試合展開をざっくりと説明すれば、試合序盤から中盤にかけてはローマンのペース。

 三浦は手数の多いメキシカンの攻撃に手を焼き、プレスもうまく掛からずに強打を封じられてしまう。爆発の兆候すら生み出せない。

【次ページ】 左ボディーフックがどてっぱらを叩いた。

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