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1000号すべてが入魂の一冊だからこそ。
Number「ベスト100」選びは苦難の連続。

posted2020/03/26 20:30

 
1000号すべてが入魂の一冊だからこそ。Number「ベスト100」選びは苦難の連続。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

100冊に選ばれたうちのほんの一部。Numberがスポーツと共に歩んだ40年が刻まれている。

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Number100選定委員会

Number100選定委員会Number100 Selection Committee

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 100冊、選ぶ。文字にすればごく簡単なことが、こんなにも苦しい作業とは思わなかった。

 Number1000号「ナンバー1の条件。」には、大観音開きで6ページ展開した「Number Best 100 of 1000」を掲載した。創刊1000号の中100冊を選んでみようという、きわめて単純な発想の企画である。

 だが、100冊選ぶのも、何か基準が必要だ。我々「Number100選定委員会」は、まず、(1)歴史的なスポーツイベントを扱った号、(2)Numberの歴史を語るうえで欠かせない号、を選んだ。ここまでは衆目一致、まったく問題なく選ぶことができた。

 そして、売れ行きだけでなく、内容や写真・デザインの良さ、競技のバランス、アスリートの重なりなど、さまざまな要素を考え合わせ、200冊くらいまで候補を絞った。が、しかし、そこからの選考が、難航に難航を重ねたのである。

 まずもって、候補から削れない。もとより、どの号も作り手とアスリートたちの汗と涙が詰まった入魂の一冊。それを削ることがどうしてもできない。というか、「これも入れた方がいいな」と、むしろ候補が増えていく始末である。

泣いて斬った馬謖が蘇る。

 手前味噌で申し訳ないが、読めば読むほど面白い号は面白い! 削れない! 眠れない!

 毎晩毎晩議論を重ね、ああでもない、こうでもない。ならいっそ、1000冊全部載せればいいんじゃないか? とヤケになる時間帯さえ訪れた。

 それでも〆切は近づいてくる。我々は泣いて馬謖を斬った。斬って斬って斬りまくった。

 やがて100冊まで絞り込み、「どうだ! これがベスト100だ!」と快哉を叫ぶと、通りすがりのベテランデザイナーが「あぁ、あの号は入ってないんだ?」とニヤリ。大先輩が「この号は僕が……」とエピソードをチラリ。

 死んだはずの馬謖が、甦る。

【次ページ】 創刊時の編集長の言葉に方針が定まる。

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