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齊藤未月は「新しい湘南」の旗頭。
プレスをかけ、点に絡める攻撃性。
posted2020/02/19 11:00
![齊藤未月は「新しい湘南」の旗頭。プレスをかけ、点に絡める攻撃性。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/4/b/1500wm/img_4b53a32ef49e5ba8ac0dce634478454c354743.jpg)
凛々しい表情を見せる齊藤未月。得意のボール奪取とともに、得点に絡むシーンも多く見たい。
text by
![井川洋一](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/7/e/-/img_7e7801a07e1b8e850b3b9cc06184a9ad38061.jpg)
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
Kiichi Matsumoto
新しい湘南ベルマーレ、新しい齊藤未月──。
まもなく開幕を迎えるJ1リーグ、そして東京五輪が開催される2020年、クラブも自身もこれまでとは違う姿を見せられるはずだと、1月に21歳になったばかりのセントラルMFは言う。
「(昨シーズン途中に)監督が代わり、(このオフには)選手も10人以上入れ替わりました。だから新しい湘南になります。僕はそれをすごく楽しみにしています。ビンさん(浮嶋敏監督)のやり方も僕は好きなので、新しいベルマーレを見せていきたいです」
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それは再スタートへの意気込みとも受け止められた。
もともとの良さにプラスアルファを。
周知のとおり、湘南は昨シーズン、大きな騒動に見舞われ、激しい浮き沈みを経験した。開幕戦から勝利を収め、まずまずの出だしを切ったものの、初夏に差し掛かる頃から5連敗。その後に立て直し始め、5試合で4勝目を手にした8月中旬のジュビロ磐田戦後、曹貴裁前監督のパワーハラスメント問題が発覚した。
長年、クラブの象徴的な存在だった指揮官を失ったチームは、以降の12試合を1勝4分7敗。16位でレギュラーシーズンを終え、徳島ヴォルティスとの昇降格プレーオフを1-1のドローで切り抜けて(引き分けの場合、J1チームが残留)、なんとか1部に生き残った。
先週のキックオフカンファレンスの前に行われたこのインタビューでは、時間が限られていたため、過去のことにはほとんど触れなかった。けれど、齊藤の表情を見るかぎり、それでよかったと思う。地元で生まれたアカデミー育ちのチームリーダーのひとりは、過ぎ去ったことをすでに整理し、現在と未来を見据えている。
「もともとの湘南の良さ──攻守の切り替えの早さや連動したスピーディなプレスなど──に加えて、マイボールを大事にすること」と日焼けしてますます精悍になった齊藤は、新チームの試みを説明する。