球体とリズムBACK NUMBER
齊藤未月は「新しい湘南」の旗頭。
プレスをかけ、点に絡める攻撃性。
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byKiichi Matsumoto
posted2020/02/19 11:00
凛々しい表情を見せる齊藤未月。得意のボール奪取とともに、得点に絡むシーンも多く見たい。
得意ではないからこそ取り組む。
「その通りだと思います」と齊藤はこちらの指摘をそのまま受け止めた。
「僕自身、そうしたプレーが得意かと言われると、そうではないです。まだまだ発展途上ですよね。僕はこれまでも、なにか課題があれば、自分でじっくり考えて、練習で何度もトライして積み重ねて、少しずつできるようになってきました。だからこの課題にも、そうやって取り組んでいくしかないです。焦ってはいないですけど、自分の成長のためには間違いなく必要なプレーだと捉えています」
そんな風に挑戦を続ける齊藤と湘南が、今季最初の試合に登場する。今週末の開幕節で金曜日に唯一組まれているのが浦和レッズとのホームゲームだ。
「(浦和は)僕にとって、印象的な相手です。(ここ2シーズンは3勝1分けと負けなしの相手ながら)4年前に対戦したとき、スタンドから見ていて、ボコボコにされたことを強く覚えていて。またうちには浦和に所属していた選手も多くて、因縁もある。だから今季の開幕戦はすごく楽しみです。
それにJ1のシーズンの最初に試合をするのは、個人的に初めて。今年のJリーグがどういうシーズンになるのか、どれだけ面白くなるのかを伝える意味でも良い機会なので、すごく楽しみにしています。お互いの良さが出るような激しい攻防を自分でも期待しています。緩いゲームじゃなくて、観ている人があっという間に終わったと思えるような濃い試合にしたいです」
Jでコンスタントに活躍しないと。
Set the tone──最初のものが全体の流れやスタンダードを決める。
インターナショナルスクールで育った彼らしい表現で、初戦とシーズンへの期待と抱負を語った。このシーズン前半戦を良いものにすれば、半年後に迫る東京五輪への招集の可能性も増すはずだ。
「選ばれた時にどれだけ自分の良さをチームに還元できるか。大舞台で良さを出すためにも、Jリーグでコンスタントに活躍しなければいけないと思います」
生まれ変わろうとするベルマーレと、真摯に成長を追い求める齊藤未月。彼らが浦和をホームに迎える今季のJ1開幕戦は、2月21日19時にキックオフを迎える。