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来季もDeNAの中継ぎ陣はフル回転。
「むーさんは本当に貴重な存在」
posted2019/12/31 11:50
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Kyodo News
第6回は惜しくも2位に終わった横浜DeNAベイスターズ。ラミレス体制5年目、悲願の優勝へカギを握るのは中継ぎ陣だろう。
「力を合わせて、よくやってくれたと思います。いわゆる7~9回を投げる“勝利の方程式”ではなくても、団結する気持ちを持ってどの選手も投げてくれました。1点もやらずに3点を待つ状況をいかに作れるか。今季は粘り強くできたと思いますね」
シーズン終了後、横浜DeNAベイスターズの木塚敦志ピッチングコーチは、安堵の表情を浮かべそう語った。
2019シーズンは2位と躍進したDeNAであるが、チームを縁の下で支えつづけたのがブルペン陣であり、その功績は非常に大きかったと言っていいだろう。
三浦大輔ピッチングコーチ(来季から二軍監督)の方針により先発ピッチャーを降板させず引っぱる傾向にあったが、結果的に'18年はわずか2ゲームだった完投数を'19年は6ゲームとした。ただ、実際のところこれで中継ぎ陣の仕事が楽になったのかといえばそうではない。
'19年にDeNAのリリーフが投げたイニング数は540 2/3回であり、これはリーグトップの数字だ。'18年が513 1/3回だったことを考えれば、負担は増したといっていいだろう。一方でリリーフの防御率は、'18年の4.01に対し、'19年は3.80と向上させている。
エスコバー、三嶋、国吉、石田。
中継ぎの要だった三上朋也と砂田毅樹を欠き、夏にはパットンが自らの過ちで負傷し戦線離脱。非常に厳しい台所事情であったが、リーグ最多の74試合を投げたエスコバーを筆頭に、71試合の三嶋一輝、そして53試合ながらオープナーや回またぎを任され69 1/3イニング投げた国吉佑樹らが軸となり、クローザーの山崎康晃へとつないだ。
また石田健大は中継ぎから先発、さらに中継ぎへとチーム事情による配置転換を余儀なくされたが、自分の仕事をしっかりと務め上げた。
木塚コーチは選手たちの奮起について次のように語る。
「とくにエスコバーの存在は大きかったと思います。毎試合気を吐き、チームを引っぱってくれたことに感謝しています。それにクニ(国吉)が育ってくれたというか、いろんなポジションで投げてチームに貢献してくれました。彼にとってキャリアハイとなったシーズンですが、来季に向けポジションを掴み切ったのかと言えば、そうではない。防御率は4点台(4.80)ですし、もう一声という思いもありますが、しっかりと課題をクリアしてくれると思います」