バスケットボールPRESSBACK NUMBER
八村塁と、ウィザーズの序盤戦。
NBAで長くキャリアを築くための鍵。
posted2019/12/24 08:00
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Getty Images
「塁はこれから5試合が終了した後に再診断を受ける。その時までには状況がより明らかになっているだろう。塁はとても良いプレーをし始めていたところだし、チームも(メンフィス・)グリズリーズ戦以外は競った試合をしていただけに残念だ……」
12月18日、本拠地でのシカゴ・ブルズ戦の際、ウィザーズのスコット・ブルックスHC(ヘッドコーチ)はそう報告した。今季開幕から25試合連続でスタメン出場していた八村だったが、これで少なくとも26日のデトロイト・ピストンズ戦までは欠場が確定。長いシーズンの中でルーキーが休養を取れるという考え方もできるものの、チーム、本人の両方にとってやはり手痛いアクシデントに違いない。
リップサービスではない活躍。
ここまでの八村は、平均13.9得点、5.8リバウンド、1.6アシストという新人としては優れた成績をマーク(以下、数字はすべて八村が故障離脱した直後の12月17日時点のもの)。「とても良いプレーをし始めていた」というブルックスHCの言葉はリップサービスではなく、12月は8試合で17.3得点、6.6リバウンドと堂々たる数字を残していた。プレー時間も11月の平均24.8分から、12月は同34.3分にまで急上昇。ケガ人も多いチーム内で、21歳の日本人ルーキーはもう贔屓目抜きに不可欠の存在になった感があった。
ADVERTISEMENT
「もう20戦近くやってきて、まだまだ半分もいっていない中でもいろいろ経験してきた。どういうところでパスをするとか、得点もそうですし、ディフェンスでも少しずつNBAのバスケにも慣れてきているんじゃないかなと思います」
15得点を挙げた12月3日のオーランド・マジック戦後、八村は“周りが見えてきた”という手応えらしきものを語っていた。その言葉通り、シーズンも約1/4 の時点で、オフェンス面での八村の役割は定まり始めている印象がある。