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八村塁と、ウィザーズの序盤戦。
NBAで長くキャリアを築くための鍵。 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byGetty Images

posted2019/12/24 08:00

八村塁と、ウィザーズの序盤戦。NBAで長くキャリアを築くための鍵。<Number Web> photograph by Getty Images

16日のピストンズ戦で負傷した八村塁。チームにとっても痛い離脱となった。

長いキャリアを築くための鍵は?

 もちろん今後、八村のマークもきつくなるはずで、自身のスペースを広げるためにもいずれ3ポイントシュートの向上は必要になってくるだろう。もともとウィザーズは八村を“ストレッチ4(ビッグマンながら3Pが得意で、スペースを作れる選手)”として起用することを望んでおり、それがドラフト指名時からのプランだった。だとすれば、課題の多いディフェンスとともに、ロングジャンパーの精度アップこそがNBAで長いキャリアを築くための鍵になっていくに違いない。

 ただ、少なくとも現時点では、八村の毛色の違ったスキルとスタイルはウィザーズに上手くはまっている。ハイテンポで攻めるチームオフェンスに貴重なアクセントを添えている。オフェンシブ・レイティングではリーグ4位というウィザーズのハイスコアリング・オフェンスは、こうして確立されていったのだった。

 序盤戦の八村はすべてが順風満帆だったわけではない。ディフェンスとロングジャンパーの力不足がゆえ、11月26日のデンバー・ナゲッツ戦まで3試合連続で第4クォーターにプレー時間がもらえなかった。また、確かに優れた個人成績を残していても、チームの勝利になかなか繋がっていないのも残念ではある。

 しかし、厳しいチーム状況の中でも適応を続け、信頼を勝ち取り、プレー時間を増やしていったことは評価されて良い。だからこそ、この時点での故障離脱には八村本人もフラストレーションを感じているに違いない。今はただ、一刻も早くコートに戻って欲しいもの。元気な身体を取り戻し、ウィザーズのオフェンスが作り出す大きなスペースの中で、これまで通りに暴れまわってほしいところだ。

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