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楽天の新監督は日本野球の革命家。
「常識を度外視したシフトを考えた」

posted2019/10/31 18:00

 
楽天の新監督は日本野球の革命家。「常識を度外視したシフトを考えた」<Number Web> photograph by Kyodo News

セオリーを疑うのにはエネルギーがいる。三木肇監督は、その惰性に抗う力を持った指導者だ。

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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Kyodo News

 日本シリーズが終わり、ストーブリーグがにわかに活気付いてきた。

 FAなどを含めて今年は実力者たちが顔を揃え、世間の注目を浴びている。

 その一方、例年より静かだったのが監督人事だ。

 来季から新監督を迎えるのは、セ・リーグ最下位のヤクルト、4連覇を逃した広島、パ・リーグの3位に終わった楽天の計3球団。そしてすべてが内部昇格と、やや静かな動きとなっている。優勝候補の1つに挙げられながら下位に沈んだ球団もあったが、それぞれの決断がどういう結果をもたらすかも来季の楽しみの1つである。

 監督人事の中で、密かに注目しているのが楽天の三木肇新監督だ。

 来季から指揮をとる広島の佐々岡真司氏やヤクルトの高津臣吾氏と比べれば知名度は落ちるものの、すでにプロで10年以上の指導キャリアを誇る腕利きの人物だ。

 筆者と同じ大阪の上宮高校の出身で学年も1つ違いということで個人的には注目してきたのだが、コーチになってからの彼の言動やコーチング哲学には目を引く要素がいくつもあった。

セオリーは信じすぎると辛くなる。

 三木を一言で言うと、革新的な指導者である。

 思い返すのは、2015年にセ・リーグ覇者になった時に聞いた、ディフェンスにおけるポジショニングについての考え方が斬新だったことだ。

 この頃のヤクルトは、投手はもちろん、守備面でも新たな常識をチームに浸透させていた時期で、特に内野守備を担当していたのが三木だった。

 三木がよく話していたのは「セオリーに囚われない新たな発想を持つ」ことだった。野球界では当たり前とされる前提も疑って、角度を変えて考えるということである。

「野球には長い歴史があって、こういう風にした方がいいというセオリーが多くありますけど、セオリーありきになることで逆に自分が苦しくなることもあると思ったんです。なので、常識を度外視したシフト、ポジショニングや作戦を考えるようになりました」

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