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商業高校が席巻していた「江川世代」。
甲子園出場校から“時代”を紐解く。 

text by

小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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photograph byKatsuro Okazawa/AFLO

posted2019/08/29 20:00

商業高校が席巻していた「江川世代」。甲子園出場校から“時代”を紐解く。<Number Web> photograph by Katsuro Okazawa/AFLO

1973年のセンバツでの江川卓。地方大会の噂だけしか知らなかった全国の野球ファンの前に、初お目見えとなった“怪物くん”。

甲子園とは「時代を映す鏡」。

 狭間監督は、最初に1年間のコーチとしての活動を経て、2007年に監督に就任。

 市も屋内練習場の建設や学区を広げられる推薦制度の導入など、町おこしとしてバックアップ。狭間監督の指導力もあり、急激に力をつけた。野球部としての伝統は浅いが、令和の新たな強豪となる雰囲気に満ちている。平成の間にすっかり衰退してしまった「公立の商業高校」の見事な復権例といえそうだ。

 江川包囲網を敷いたのは強き商業高校。江川を倒した銚子商は、2年生エースの土屋正勝(のち中日など)がさらに成長し、翌年夏の甲子園を制している。

 平成の怪物世代では私学全盛となり、令和の怪物世代は再び公立校が勢力を挽回しつつある。

 出場校を見れば世相がわかる。ある意味では甲子園とは「時代を映す鏡」なのだ。

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