ハマ街ダイアリーBACK NUMBER

DeNAを支える陽気な鉄腕エスコバー。
「毎日投げるよ」の言葉と後半戦。 

text by

石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

PROFILE

photograph byKiichi Matsumoto

posted2019/07/07 08:00

DeNAを支える陽気な鉄腕エスコバー。「毎日投げるよ」の言葉と後半戦。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

今季は球威が増して空振りを取れているエスコバー。登録抹消してオールスター休みに入ったが、7月上旬ですでに54奪三振と早くも昨季の数字に並んでいる。

“エスキー”は日本語も上達中。

 2年前の7月に黒羽根利規とのトレードで日ハムからやってきたエスコバーは、今ではすっかりチームの輪に溶け込んでいる。チームメイトから“エスキー”の愛称で呼ばれる貫禄たっぷりの27歳。そんな彼の素顔をバッティングピッチャー兼通訳の林庭逸氏が教えてくれた。

「普段から体重の管理やコンディショニングには気を使っていますね。昨年よりも体を絞ったことでボールの切れも増しているようですし、だからこそ連投しても同じパフォーマンスを出しつづけることができるのだと思います。

 性格はとにかく陽気でポジティブ。よく冗談を言いながらチームやブルペンを明るい雰囲気にしていますし、いい影響を与えていると思いますよ。最近は日本語も上達してきて、彼なりに駆使をしてコミュニケーションをとっていますしね。もはやブルペンになくてはならない存在ですよ」

まさかのスリーバント失敗にも笑いが。

 余談だが、7月2日の阪神戦、エスコバーは7回表に登板すると、裏の回で打席に立った。昨年の9月以来となる久しぶりの打席。エスコバーは空振りで2ストライクと追い込まれると、3球目でまさかのセーフティーバントを仕掛ける。DeNAの2-0でまだまだ試合がどうなるかわからない場面、素直に三振するぐらいならば何とか塁に出ようとしたのかと尋ねると、エスコバーは恥ずかしそうにかぶりを振った。

「いや、じつはストライクカウントを間違えていたんだよ……」

 エスコバーがまさかのスリーバントを失敗するとダッグアウトやブルペンでは誰もが顔をほころばせた。「おいおい、エスキー、なにやってんだよ!」と。シリアスな場面に咲いたささやかな笑い――その次の回のエスコバーの投球に熱が入ったのは言うまでもない。

【次ページ】 懸念される登板数の多さ。

BACK 1 2 3 4 NEXT
横浜DeNAベイスターズ
エドウィン・エスコバー
伊藤光
アレックス・ラミレス
木塚敦志

プロ野球の前後の記事

ページトップ