ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
DeNAを支える陽気な鉄腕エスコバー。
「毎日投げるよ」の言葉と後半戦。
posted2019/07/07 08:00
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Kiichi Matsumoto
左腕から繰り出される日本最速160キロのストレート。テンポよく豪快に打者を切って取りアウトを重ねるエドウィン・エスコバーは、今や横浜DeNAベイスターズにとってなくてはならないリリーバーだ。
「調子の良さの要因? 僕はできれば毎日でも投げたいんだよ。けど投げない日があったとしても怠ることなく準備をしている。ウェイト・トレーニングだってしっかりやっているしね。とにかく毎日、集中してコンディションを整えること。それが今シーズンの僕の状態につながっているのかな」
エスコバーは真剣な表情でそう言った。
交流戦を機に上昇気流に乗りはじめたDeNAであるが、ラミレス監督は「ブルペンに彼がいるという存在感が非常に大きかった。多くの試合で投げてくれた」と、交流戦におけるチームMVP投手にエスコバーの名を挙げた。12試合に登板し3勝1敗7ホールド、防御率2.53とまさにチームの流れを変える活躍だった。
「真っ直ぐがすごくいい」(捕手・伊藤)
今季のエスコバーの投球の特徴は、昨年まで使っていたチェンジアップやツーシーム系のボールを極めて少なくし、ストレートを中心にスライダーとのコンビネーションで押し切るピッチングだ。エスコバーは言う。
「たしかに今シーズンは、ゾーン内でストレートとスライダーで勝負することを強く意識している。しっかりとコースを決めることで、結果につながっていると思うよ」
エスコバーをリードするキャッチャーの伊藤光も同様の見解を示す。
「真っすぐがすごくいいですし、自信を持って腕が振れている。ある程度コースが甘くても空振りやファールが取れていますしね。それにスライダーも145~146キロ出ていて、特に左打者には有効。まあ、チェンジアップもツーシームも使っていないわけではないですが、あくまでも食らいつかれて困ったときに要求するぐらい。
真っすぐがいいので、他のゆるいボールで打たれてしまうと悔いが残ってしまう。真っすぐでやられたら仕方がないとベンチも思っているでしょうし、そこは僕も腹をくくってやっていますよ」