ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
DeNAを支える陽気な鉄腕エスコバー。
「毎日投げるよ」の言葉と後半戦。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKiichi Matsumoto
posted2019/07/07 08:00
今季は球威が増して空振りを取れているエスコバー。登録抹消してオールスター休みに入ったが、7月上旬ですでに54奪三振と早くも昨季の数字に並んでいる。
懸念される登板数の多さ。
ここまで好調なエスコバーではあるが、心配事がないわけではない。それは今シーズンの登板数だ。ここまで80試合ちかくを終え、すでに42試合に登板している。これは救援投手としてはリーグトップの数字だ。
昨年はウィーランドやバリオスとの入れ替えなどがあり53試合の登板にとどまったが、今季は三上朋也や砂田毅樹といったリリーバーの主力が不在のためエスコバーはビハインドの場面からタイゲーム、勝ちパターンまでフル回転をしてきた。4日連続の登板や週に5回もマウンドに立つなど登板過多は否めない。
前出の伊藤が語る。
「エスキーは『毎日投げるよ』と言うけど、僕らからしたら壊れてしまったらどうしようという思いもある。ただ、毎日のようにトレーニングをしたりケアをしている姿を見ると信じるしかないのかなって」
ブルペンを預かる木塚敦志投手コーチにそのことを尋ねると、我が事のように苦しそうな表情を浮かべた。
「当然、そこは配慮しなければいけません」
このコメントを聞いた数日後の7月6日。エスコバーはようやく登録抹消とされ、恐らくは予定通りであったのだろう早めのオールスター休みに入った。
「本当の意味での“助っ人”」(木塚コーチ)
球団は新外国人のサミー・ソリスを獲得し、また石田健大や国吉佑樹がロングリリーフを引き受け、若手の櫻井周斗や齋藤俊介を起用するなどエスコバーの負担を減らすブルペンワークを見せてはいる。とはいえここぞという場面で頼りになる選手だけに、後半戦での起用法でもある程度慎重にならざるを得ないだろう。
木塚コーチはつづける。
「うちに来たときからいい選手だと思っていたし、成長してくれたらといろいろ話しながら過ごしてきました。今では前例にないような圧倒的なピッチングをしてくれて、なおも進化している。登板が重なっても『今日も行く』と言うし、本当に頭が下がる思いというか、パットン同様チームにいい影響を与えてくれる本当の意味での“助っ人”だなと」