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<世界のトップが集結>有馬記念は外国人ジョッキーを狙え!
text by

土屋真光Masamitsu Tsuchiya
photograph byKeiji Ishikawa
posted2017/12/21 08:00

シュヴァルグランでジャパンカップを制したヒュー・ボウマン。
吹き荒れる外国人ジョッキー旋風は、グランプリも飲み込むかもしれない。
今や外国人ジョッキー抜きで語れない日本のGIレース。この秋だけでも、阪神ジュベナイルフィリーズまでの9つのレースのうち、7つのレースを4人の外国人ジョッキーが勝利している。また、日本の通年免許を取得し騎乗しているクリストフ・ルメール騎手とミルコ・デムーロ騎手の2人だけで、今年ここまで行われた21のGIレースのうち、10を勝利しており、ただでさえその存在感は大きい。それに加えて、欧州がオフシーズンに入り、オーストラリアも春のカーニバルが一段落したことで、この時期には世界中のトップジョッキーが日本に集まる状況となっている。
もちろん、それだけの腕達者たちだけに、有馬記念での騎乗オファーも当然集まった。有馬記念はファン投票による馬のオールスター戦でもあるが、騎手についても世界的なオールスター戦と言っても過言ではないだろう。
ルメール騎手、デムーロ騎手を除いて、今年の有馬記念での騎乗が見込まれている外国人騎手は3人。まず、ジャパンカップを勝利したシュヴァルグラン(牡5、栗東・友道康夫厩舎)には、同馬を初GIタイトルに導いたオーストラリアのヒュー・ボウマン騎手が引き続き騎乗する。ボウマン騎手は今年、国際的な競馬統括機関であるIFHAが指定した世界のトップ100レース中10レースを勝利し、今年の世界ナンバーワンとしてワールドベストジョッキーに輝いた。ボウマン騎手といえば、なんといってもオーストラリアの現役最強馬と言われ、現在22連勝中のウインクス(牝6)とのコンビだが、オーストラリア以外でも前述のジャパンCや香港でも大タイトルを勝利している。勝利時に見せる指サイン“She's Apples”も、すっかりお馴染みだ。