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佐々木主浩は馬のどこを見ている?
シュヴァルグランと有馬記念を語る。
posted2017/12/22 15:30
text by
薦田岳史(Number編集部)Takeshi Komoda
photograph by
Keiji Ishikawa
いよいよ24日に競馬の一年の総決算、有馬記念が開催される。21日に行われた枠順抽選会では、このレースがラストランとなる大本命キタサンブラックが1枠2番に入り、そのキタサンをジャパンカップで破ったシュヴァルグランが5枠10番に入った。
暮れの大舞台で再び雌雄を決する二頭だが、シュヴァルグランのオーナーで元プロ野球選手の佐々木主浩氏は、発売中の「Number942号」のインタビューで今年の枠順抽選会について次のように語っていた。
「昨年は出席できなかったですけど、今年は、是非出席したい。
昨年はアルファベットの書かれたボールを選択する方式でした。会場には行けなかったけど、“K”を引いてくれるように頼んだところ、外枠の14番でした。
主浩のKのつもりだったけど、野球でKといえば三振の意味ですからね。見事に三振をとられちゃいました(昨年はシュヴァルグランが出走し6着)。今年はまたどういう形で引くか、改めて考えます」
公言通り、今年は抽選会に出席した佐々木氏。そしてシュヴァルグランに騎乗するボウマン騎手が引いたのは5枠10番だった。
ボウマン騎手は「3、4番枠が良かったのに」と悔しがりながらも「自分の騎乗をしたい」と前を見据え、佐々木氏自身も「あとはジョッキーにおまかせ。馬の体調はばっちり。楽しみにしています」とGI連勝への期待感を明らかにした。
今年の競馬界は北島三郎氏と佐々木主浩氏の年だった。
今年の競馬界は、北島三郎氏、佐々木氏と2人の有名人オーナーの所有馬が中心だったと言っても過言ではないだろう。
キタサンブラックは馬主歴53年のオーナーに初GIのタイトルをプレゼントし、今年は大阪杯、天皇賞(春)(秋)とGIを3勝、現役最強、いや日本競馬の歴史の中でもトップクラスの実力を披露した。
そして、佐々木氏の所有馬ヴィブロスは3月のドバイターフを制し、GI2勝目(1着賞金は360万ドル)を挙げ、11月末に行われたジャパンカップでは、ヴィブロスの兄のシュヴァルグランがキタサンを差し切る金星を挙げ、初GIのタイトルを手にしたのだ。
今回の有馬記念は馬同士の因縁もさることながらオーナーの観点からも注目の「大一番」となる。