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ブライアンに並ぶ朝日杯の最大着差。
ダノンプレミアムは距離延長もOK?
posted2017/12/18 12:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
強い馬が集まるGIで、これほど突出した力を見せつける馬は、そういるものではない。
川田将雅が騎乗した1番人気のダノンプレミアム(牡、父ディープインパクト、栗東・中内田充正厩舎)が第69回朝日杯フューチュリティステークス(12月17日、阪神芝外回り1600m、2歳GI)を3馬身半差で圧勝。3戦全勝で、2歳王者の有力候補となった。
呆れるほどの強さだった。速いスタートを切って掛かり気味に先行し、勝負どころでも鞍上は手綱をガチッと抑えたまま。直線でゴーサインを受けると瞬時に抜け出し、独走態勢に入った。
川田は左ステッキを4発入れ、鞭を右に持ち替え5発目を入れようとしたが、ターフビジョンを見て後ろとの差を確認し、叩くのをやめた。
最後の7、8完歩は流すように走り、川田に首筋を撫でられながらゴールした。それなのに、従来の記録を1秒1も更新する1分33秒3というレースレコードを叩き出していた。
同じコースで行われた前週の阪神ジュベナイルフィリーズの前後半800mが47秒7-46秒6だったのに対し、このレースは47秒2-46秒1。特に後半はキツい流れだった。
それを楽に3、4番手で追走し、ラスト3ハロンをメンバー最速の33秒6でまとめてしまうのだから、他馬はたまらない。
ナリタブライアンに並ぶ史上最大の着差。
GI10勝目を挙げた川田はパートナーを絶賛した。
「無事に強さを見せられてよかったです。ゲートから気持ちが強かったので、まだ大丈夫だよとなだめながらのレースになりました。馬の力を信じてゴーサインを出したら、いい飛びと加速を見せてくれた。すごく強いメンバーのなかで勝利を挙げたのは素晴らしい。賢い馬で、すべてはそこから来ています」
阪神芝外回り1800mの新馬戦を4馬身差で圧勝し、前走のサウジアラビアロイヤルカップでは、稍重だったにもかかわらず、東京芝1600mで2歳レコードをマークした。そしてここを勝って3戦3勝。
2着につけた3馬身半差は、1984年のグレード制導入以降、翌年三冠馬となった'93年ナリタブライアンと並ぶ最大着差。数字が示すとおり、ブライアン級の強さを見せつけた。