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<プロフェッショナル解説>
西岡利晃「PFPボクサーはここがすごい!」
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Number編集部Sports Graphic Number
photograph byGetty Images
posted2017/01/29 17:00

'11年マルケス戦は日本人初のアメリカ本土での防衛成功だった。
パウンド・フォー・パウンド(PFP)とはアメリカの老舗ボクシング雑誌「リング」が作った、異なる階級のボクサーの強さを比較するためのランキングです。月に一度更新され、最新版では9位に山中慎介がランクインしています。
現在1位にランキングされているのは、スーパーフライ級のローマン・ゴンサレス。日本でも「ロマゴン」の愛称ですっかりお馴染みですが、軽量級の選手でここまでの評価を得られるというのはすごいことです。なめらかなコンビネーションで、相手が倒れるかレフェリーがストップするまで手が止まらない。距離の詰め方が素晴らしく、いつの間にか相手の懐にもぐり込んでしまう。簡単そうで、なかなかできない芸当です。圧倒的な攻撃力で相手の長所を封じてしまう強さを持っています。
2位のアンドレ・ウォードは、アテネ五輪の金メダリストだけあってポイントを取るのが非常に上手い。ジャッジは1ラウンド毎にどちらの選手が有利かを採点していきます。ウォードは試合の中でいつもジャブを忘れないんですね。これは長いアマチュア経験により、身体に染みついているものでしょう。このジャブによって際どいラウンドもリングジェネラルシップ(主導権支配)を得ているのだと思います。
アマチュア上がりということでは、オリンピック2大会連続金メダルのワシル・ロマチェンコもPFP1位を狙える逸材です。常に相手にプレッシャーをかけてカウンターを狙う。しかも打ったあとに一瞬で目の前から消えるので、相手はどこから打たれているのかわからなくなると思います。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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