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<チームメイトとの幸福な関係>
イチローが僕たちに教えてくれたこと。
text by

ブラッド・レフトンBrad Lefton
photograph byYuichi Masuda
posted2015/04/16 10:30

代打としての準備、オフシーズンのトレーニング法、パフォーマンスを継続して十二分に発揮するための、ルーティーンの作り方――。
「ICHIRO'S WAY」はチームメイトに、大いなる実りをもたらしている。
「ICHIRO'S WAY」はチームメイトに、大いなる実りをもたらしている。
イチローは今シーズンの開幕前、休日を返上して3度、キャンプ地ジュピターから135km離れたマイアミのマーリンズパークに出向いて個人練習を行っている。メジャーでの14年のキャリアの中で、マイアミでプレーしたことは2005年に1度だけ、それも旧スタジアムの時代だから全く参考にならない。開幕前に少しでも本拠地に慣れておきたい、という思いのあらわれだろう。
DH制のないナショナル・リーグ。この未知のリーグでの野球について、イチロー本人は「まだなにも分からない」と言う。だが、この1カ月半で親しくなった新しいチームメイトはもちろん、対戦チームにもかつて、イチローと交流を持った選手はたくさんいる。そして彼らの多くはイチローのプレーに、そして選手としての姿勢に魅了されてきた。
まずは、ケビン・ロング。彼は2007年から8年間ヤンキースで打撃コーチを務めていた。その間、不振に喘いでいたA・ロドリゲスやH・ポサダのバッティングを復活させた手腕は高く評価されており、今シーズンはニューヨーク・メッツで打撃コーチを務めている。
イチローと同僚だった期間は2年半と短いが、ロングはイチローを「最も好きな打者の一人だ」と公言してはばからない。イチローの4001本目のヒット時のボールはロングの自宅に飾ってある。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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