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5年ぶりのロングインタビューで、
イチローが示した「言葉の力」とは? 

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2015/04/16 11:00

5年ぶりのロングインタビューで、イチローが示した「言葉の力」とは?<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

新天地マイアミ・マーリンズでメジャー15年目、日米あわせてプロ24年目のシーズンを迎えたイチロー。

 3月中旬。PGAナショナルなど著名なゴルフ場が多く、1年を通じて温暖なフロリダのリゾート地、ジュピター。

 心地よい、というよりは凶暴な日差し。連日30度を越える暑さの中、真っ黒に日焼けしたマイアミ・マーリンズのイチローは、開幕に向けたスプリング・トレーニングに臨んでいた。

 チーム練習とオープン戦への出場が通常のメニューだが、彼の場合はそれだけではない。クラブハウスと、ハウス裏のコンテナハウスに設置した「ワールドウィング」開発の特殊なトレーニングマシンは総計8つ(開幕後はマーリンズ・パークのダグアウト裏に移設)。チーム練習後、肩甲骨や股関節、骨盤などに作用するトレーニングで黙々と汗を流す。やるべきことを、淡々と。日々の積み重ねがプロ24年目の心身を支え、さらに研ぎ澄ませていることを、今更ながらに痛感させられる。

まるで打席を見ているような、インタビュー風景。

 多忙なトレーニングスケジュールの合間を縫って行なわれたNumber876号のインタビューは、小誌としては5年ぶりという久しぶりの機会となった。

 インタビューに先立っての写真撮影は、そのトレーニング・シーンと、晴天のもと行なわれたユニフォーム姿での特撮の2パターン。カメラマン杉山拓也とのセッションは構図を確認しながら30分近くに及んだ。プロフェッショナル同士の時間。清浄な空気の張りつめた、いい現場だった。

 その後行なわれたインタビューは、1時間半に及んだ。

 イチローは、20年以上自身を取材し続けているベースボールライター・石田雄太氏の質問に、驚くほど語彙豊かに答えていった。どことなく、イチローの打席を見ているようだった。どんな厳しいボールでも、ヒットゾーンに打ち返していく、その絶妙なバットコントロール──。

 一つ違うところがあるとすれば、ときおり交じる、返答の前の沈黙だろうか。石田氏の問いに、より的確に答えようと語彙を探すための沈黙。それはまた、イチローという選手の誠実さのあらわれだとも言える。

【次ページ】 「虚しさなんて、しょっちゅう感じています」

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