MLB東奔西走BACK NUMBER
上原浩治、15年来の古傷とともに。
球団の絶対の信頼に“恩返し”を。
posted2015/04/08 10:30
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph by
Getty Images
レッドソックスが4月6日、敵地フィラデルフィアで115年目のシーズン開幕を迎えた。
日本人選手に間では「野球選手にとっての元旦」と喩えられるほどの晴れがましい日だ。だが、今シーズンもクローザーに任命された上原浩治投手は、チームとは別行動でキャンプ地に残ったままこの日を迎えていた。
すでに報道されている通り、キャンプ中の3月17日に左脚ハムストリング(太もも裏の筋肉)に張りを訴え、4度目のオープン戦登板を回避。そのままリハビリを続けていたが、シーズン開幕に間に合わないとの判断で、4月3日の段階でチームから故障者リスト(DL)入りが発表されていた。
奇しくもその日は上原にとって、40回目の誕生日だった。
「2年目にやってから、1回も忘れたことがないので」
今回の負傷は投球中に起こったものではなく、登板を控えた試合前のランニング中に起きたもの。当初はチームも軽傷との見通しだったが、当の上原は開幕出遅れを覚悟していたようだ。
というのもハムストリング負傷は、今年でプロ17年目を迎える上原の野球人生にずっとつきまとってきた“トラウマ”的存在であるからだ。
「プロ入り2年目にやってから、1回も忘れたことがないので。これはやったことがある人でないとわからないでしょう。状態がこれ以上、良くなることもないだろうし、これ以上、悪くならないようにしているだけなんで。
ブルペンでは、投げられる状態を確かめたいだけ。でも影響はブルペンではわからないです。実際に試合に投げてみないと。(実戦に向けて鍵を握るのは)メンタル的なもんでしょう。先を見たことろで焦るだけなんでね。とりあえず1日1日をちゃんとやっていきたいと思っています」