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合同テストで新型車を出さない!?
マクラーレンが“秘密兵器”導入か。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2011/01/29 08:00
ドライバーから見て、ヘルメットの前方左側のフロントノーズ上にある小さな四角い穴がFダクトの空気取り入れ口。リアウイングの表面に空気を送ることで失速させ、空気抵抗を軽減する
いよいよ2011年シーズンを戦うF1のニューマシンが登場してくる。
最初に新車発表を行うのはフェラーリ。
イタリア・マラネロにある自社ファクトリーで、「F11」という名になるだろう新車をお披露目する。
フェラーリのマラネロでの新車発表会はF1界では伝統的な行事で、ライバルチームがバブル景気に沸いて派手なセレモニーを催そうとも、逆に経済状況の悪化のあおりを受けて質素な撮影会だけになろうとも、変わらずに同じスタイルで行い続ける。
ちなみにほかの新車発表会が概ね英語で行われるのに対して、フェラーリの発表会はすべてイタリア語。
それはイタリア人以外のドライバーに関しても同様で、イタリア語をマスターし切れずにフェラーリを去ったシューマッハーは、最後までカンニングペーパーを見ながらのスピーチだった。
7チームが最初の合同テストで2011年モデルの新車を初披露。
さて、コスト削減のためにオフシーズンのテストが制限され始めた2010年から、F1の新車発表会はテストが解禁された直後の合同テスト会場で行われるようになった。
今年もすでに12チーム中、半分以上の7チームが最初の合同テストの地であるスペイン・バレンシアで新車を披露する予定となっている。
レッドブル、メルセデスGP、ロータス・ルノー、ウイリアムズ、ザウバー、トロ・ロッソ、チーム・ロータスである。
フェラーリも実際に新車をコースで走らせるのは、このバレンシア・テストとなるので、じつに8チームの新車が2011年最初のテスト地となるバレンシアのリカルド・トルモ・サーキット(F1のヨーロッパGP会場とは異なり、二輪のレースなどが開催されているパーマネントサーキット)に集結することとなる。
なぜ、これほど多くのチームがバレンシアで新車をシェイクダウンさせるのか。
それはテスト解禁日となる2月1日から開幕戦がスタートする3月11日まで、4回しか合同テストが実施されないためだ。