テニスPRESSBACK NUMBER
錦織圭、2019年は勝負のシーズン。
テニスの「29歳」という分岐点。
text by
今田望未Nozomi Imada
photograph byAFLO
posted2018/12/29 08:00
2018年はATPファイナルズ出場にまでこぎつけた錦織圭。復帰2年目、悲願のグランドスラム制覇なるか。
29歳という大きな区切り。
12月29日に錦織は29歳の誕生日を迎える。つまり、20代で迎える最後のシーズンということになる。
4年前、全米オープンで準優勝した時は「すぐにまた決勝に来られる」「次の優勝者はこの男」という声も多くあがっていたが、気がつけば時は過ぎてしまった。
近いうちに「ベテラン」という言葉を付ける日も来る。年上のライバルたちは、ケガでランキングを落としたり、引退する者も出てきたりしている。
テニス選手にとっての29歳は、1つの大きな区切りとなる。
歴史上(オープン化以降)、28歳以上で初めてグランドスラム男子シングルスを制した選手は5人しかいない。2014年全豪のスタン・ワウリンカ(スイス)は28歳9カ月で優勝したが、これが5番目に年長の記録であり、優勝当時も遅咲きの優勝と評された。
30歳以上での初優勝は……。
その他の4つの記録を振り返ってみよう。
まず、最年長の初優勝記録は、34歳10カ月で全仏を制したヒメノであるが、これはオープン化直後の記録で、規定により20代にグランドスラムに出場できなかったことから、参考記録程度に留めておきたい。
その次は30歳3カ月で全仏優勝のゴメスで、当時トップ10にはいたものの、これ以外のグランドスラムの最高成績はベスト8と、やや一発感のある優勝となっている。
さらに30歳0カ月で全豪制覇のコルダは、半年後に別の大会でドーピング違反を犯しており、引退したものの現在でも疑惑の優勝として残っている。
29歳9カ月でウィンブルドンを制したイワニセビッチは、ケガでランキングを落とし、ワイルドカードで出場して激戦をくぐり抜けた。芝コートにビッグサーブがフィットした形だった。