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錦織圭、2019年は勝負のシーズン。
テニスの「29歳」という分岐点。
posted2018/12/29 08:00
text by
今田望未Nozomi Imada
photograph by
AFLO
テニス選手のオフシーズンは短い。
つい先日、日東ATPファイナルズの激闘が繰り広げられていた、そんな感覚だが、12月31日には早くも2019年シーズンの大会が幕を開ける。
11月のデビスカップ決勝を戦い、開幕戦に出場するマリン・チリッチ(クロアチア)のオフはわずか5週間。そのほかほとんどの選手は8週間程度しかオフがない。
この期間に選手がやることは多種多様だ。家族との時間を持つ者も、バカンスに出る者も、エキシビションで世界を回る者も、普段できないトレーニングに明け暮れる者もいるが、そのいずれにしても十分な時間を取れているとは思い難い。
2019年シーズンはまだ試合こそないが、もう始まっている。このオフ期間にどれだけ準備できたかが新シーズンの序盤戦を左右すると言っても過言ではない。
シードの恩恵とタイムリミット。
錦織圭の新シーズンがスタートした。例年であれば1月1週目のブリスベン国際からシーズンを始めることが多かったが、今回ハワイでのエキシビションに初参加。ミロス・ラオニッチ(カナダ)を破って優勝と、例年以上の早い仕上がりを見せている。
それもそのはず、今年は勝負の1年だ。
錦織の2018年は、まずケガで落ち込んだランキングを戻すことが最優先事項だった。結果的に、主要大会での上位進出が後押ししてトップ10復帰を決めることができた。上出来だったと言えよう。
この結果、昨年のマドリードオープンで起こった、1回戦からジョコビッチと対戦するようなタフドローがなくなった。ようやくシードの恩恵を得られる。2019年、マスターズ、グランドスラムで優勝する準備は整いつつある。
今年が勝負の1年になる理由はもう1つある。トップテニス選手としての1つのタイムリミットが近づいてきているからだ。