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打者だらけの名球会、資格変更は?
上原浩治の記録の価値を考える。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byKyodo News
posted2018/12/06 17:00
当初の名球会入りは「昭和生まれ」が条件の1つだった。平成、そして続く時代に合わせて変化してもいいはずだ。
上原以外にも実は該当者が。
ここで大事なのは、投手の通算200勝と同250セーブが同価値であるならば、上原以外にも名球会に値する投手が何人かいるということだ(精査すれば、もっといるかも知れない)。
通算116勝130セーブの山本和行(元阪神)は、通算220勝。
通算148勝138セーブの大野豊(元広島)は、通算258勝。
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通算128勝133セーブの斉藤明夫(元大洋)は、通算234勝。
通算138勝106セーブの佐々岡真司(元広島)、通算222勝。
日米通算112勝139セーブの斎藤隆(元ドジャースほか)は、通算223勝。
日米通算40勝234セーブの小林雅英(元インディアンス)は、通算284セーブ。
日米通算56勝227セーブの藤川球児(阪神)は、通算297セーブ。
投手の「通算200勝と同250セーブが同価値である」という考えは屁理屈かも知れないが、それに当てはまる投手でさえ僅か8人しかいない。彼らが稀な存在であることは歴然としているし、8人全員が名球会に入会しても、その尊厳を損ねることにはならないのではないか。
昭和と平成で資格を変える手も。
いずれにせよ、名球会のように「外部の者が決して立ち入れない組織」を内側から変えようとするなら、強いリーダーシップが必要不可欠だ。それが存在しないのならば、いくら協議したところで最良の答えなど出るはずはない。
会員の東尾修氏が他の媒体で述べられたように、「昭和」と「平成」で入会資格を変える等の改定でもしない限り、名球会が「打者だらけ」の現状を変えることはかなり難しい。