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打者だらけの名球会、資格変更は?
上原浩治の記録の価値を考える。

posted2018/12/06 17:00

 
打者だらけの名球会、資格変更は?上原浩治の記録の価値を考える。<Number Web> photograph by Kyodo News

当初の名球会入りは「昭和生まれ」が条件の1つだった。平成、そして続く時代に合わせて変化してもいいはずだ。

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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Kyodo News

 今年、結成から40周年を迎えた「名球会」の入会資格は、投手なら通算200勝か同250セーブ以上、打者なら通算2000安打以上となっている。

 11月に行われた総会では、投手の入会資格について「通算100勝、100セーブ、100ホールド以上を記録した投手を有資格とすべきか否か」という議論がされたそうだが、結論は出なかった。

 きっかけは今年、上原浩治投手(前巨人)がその珍しい記録を達成したからだ。現在、フリーエリージェントの上原は日米通算134勝、128セーブ、104ホールド。名球会の入会資格=通算200勝か同250セーブ以上を達成するには「中継ぎ投手」ではなく、勝ち星やセーブが付き易い「先発投手」か「抑え投手」になって66勝か122セーブを挙げる必要がある。簡単なことではない。

 投手の入会資格が議論された理由は、打者に比べると投手の入会者が少なく(打者49人。投手16人)、「投手分業制」が進んだ今のプロ野球で現行の入会資格=通算200勝か同250セーブ以上が「高いハードル」と認識されるようになったからだろう。

「ホールドは1試合で同時に何人も記録できる成績であり、試合に負けても記録できる」等々、賛否両論あるのが現状なので、すぐに結論が出なくて当然だ。

勝利とセーブだけでも。

 ただし、ホールドが入会資格に加わらなくとも、上原はすでに名球会に値する数字を残していると断言できる。

 なぜなら、現行の入会資格が「通算200勝と同250セーブ以上」となっており、その2つの条件が同価値と見なされているからだ。

 それらを数値化すれば、1セーブは0.8勝(200÷250)、1勝は1.25セーブ(250÷200)に換算されていることになる。

 上原の134勝、128セーブをその考えに当てはめれば、134+102.4(=128セーブ×0.8)で勝利数でいえば通算236勝に匹敵するし、128+167.5(=134勝×1.25)でセーブ数ならば295セーブに相当する成績を残している。勝利数を重視してもセーブ数を重視しても、名球会の入会資格を満たしていると考えられる。

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