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日本馬が南半球最大の祭典に参戦。
優勝で5億8000万円のメルボルンC。 

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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photograph bySatoshi Hiramatsu

posted2018/10/26 17:00

日本馬が南半球最大の祭典に参戦。優勝で5億8000万円のメルボルンC。<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

オーストラリア・コーフィールドCを制したベストソリューション。鞍上はP・コスグレイヴ騎手。写真右がサイード・ビン・スルール調教師。

2大カップ競走は賞金も高額。

 この2大カップ競走は賞金も高額で、今年の場合、コーフィールドCは総賞金が500万豪ドル(約4億円)、1着馬には300万豪ドル(約2億4000万円)と15万豪ドル(約1200万円)相当のトロフィーが贈られ、メルボルンCは更に高額の総賞金730万豪ドル(約5億8000万円)となっている。

 11月6日に行われるメルボルンCに先立って行われたのがコーフィールドC。この両レースはハンデ戦である事も大きな特徴の1つで、今年のコーフィールドCを制したのはトップハンデの57.5kgを背負ったベストソリューションだった。

 日本でも現地でも人気だったのは、地元のキングズウィルドリームとヤングスター。両頭は共に前走で地元のターンブルS(GI)を走り、前者が3着、後者が2着だった。

 特筆すべきは勝ち馬がウィンクスだったこと。現在、世界最強馬と呼ばれる同馬はこれで28連勝。GIも21度目の制覇で、これを相手に1度は先頭に立って抜け出したキングズウィルドリームと、一緒に追い上げて2着まで来たヤングスターが、コーフィールドCで人気になるのも納得できた。

 しかし、レースはスローな流れになり、後方に待機していた両馬は追い上げるも届かず、キングズウィルドリームが6着、ヤングスターが7着に敗れてしまった。

英国からの遠征した馬の勝因。

 一方、勝ったベストソリューションは上手に流れに乗れた。英国から遠征して来た同馬は、スタートこそ挟まれるような形で後方に置かれそうになったが、わざわざヨーロッパから駆け付けたP・コスグレイヴ騎手がすぐに先行集団までいざなうと、好位で折り合って競馬を続ける事ができた。

 終盤に差し掛かると、スローな展開にしびれを切らすようにザタージマハルのJ・マクドナルド騎手が動き、後方から一気に先頭に立ったが、コスグレイヴ騎手はそれを見て一緒について上がっていった。そして、直線の入り口で先頭を奪うと、そのままリードをキープしてゴールした。

「できたら前で競馬をして欲しいとリクエストした。スタートが今一つだったが、パット(コスグレイヴ)はその通りに乗ってくれた」

 サングラス越しに笑みを見せ、そう語ったのは、管理するサイード・ビン・スルール調教師。シェイク・モハメド率いるチームゴドルフィンの主戦調教師だ。

【次ページ】 トーセンバジルを下した馬も。

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