第95回箱根駅伝出場校紹介BACK NUMBER
上級生の底力に期待の国士舘大学。
山梨学院大学は本大会にベストで臨めるか。
text by
箱根駅伝2019取材チームhakone ekiden 2019
photograph byYuki Suenaga
posted2018/12/12 11:00
山梨学院大学
<予選会10位> <前回大会18位> 33年連続、33回目
最大の敵は“自分たち”にあり。
万全の状態でシード権を目指す。
文=折山淑美
山梨学院大学は1987年の初出場以来、32年もの間、箱根駅伝に出場し続けてきた。
特に昨季は、全国高校駅伝を制覇して鳴り物入りで入学してきた附属高校出身者たちが4年生になり、その集大成となる結果を期待されていた。だが、蓋を開けてみれば本番は、主力の調整不良が相次ぎベストの布陣を組めない戦いに。2区のドミニク・ニャイロ(現4年)の走りでなんとか4位に浮上したものの、その後は区間二桁順位の走りが続き、結果はチーム過去ワーストとなる18位に終わった。
今季はそんな屈辱からの復活を期すシーズン――だが、予選会でも苦しい戦いを強いられることになった。
「5月の関東インカレ以来のレースだし、練習の積み重ねが出来ていなくて状態も7~8割だった。そういう部分で少し不安はあったが、今の状態としてはよく頑張ってくれた」
そう上田誠仁監督がいう大黒柱のニャイロは、レダマ・キサイサ(桜美林大学)と塩尻和也(順天堂大学)には離されたものの、1時間1分50秒で全体4位とまずまずの走り。主将の永戸聖(4年)も1時間3分38秒で走りきった。
テーマは「気合を持って挑戦」。
一方で、誤算が続出したのが1時間3分台から4分台中盤で走ってくれると思っていた主力選手たちだ。チーム7位以降が1時間5分台と崩れてしまい、チーム10位の選手がフィニッシュしたのは全体の12番目。結果発表の前には涙ぐみながら祈る選手も目につき、ニャイロの貯金で何とか総合10位になって本大会進出というギリギリの結果だった。
「永戸も夏の中盤までは調子が悪くてどうなることかと思っていたが、今回は主将としての重責もある中でいい走りが出来たので吹っ切れるものがあると思います。彼も前の世代が抜けた後でチームを背負い『もしダメだったらどうしよう』というのが何回も頭を過ったと思う。でもチームとしてはそれを支えていくぞという雰囲気も出来ているし、テーマとしている“気合を持って挑戦していこう”ということに集約出来ていると思います」
こう語る上田監督だが、そんなチームの気持ちが若干の気負いを生んだ部分もあるのではないかと分析する。