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大阪桐蔭は選手の進学先を調査する。
監督は大学の補強ポイントまで把握。 

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中村計

中村計Kei Nakamura

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photograph byHideki Sugiyama

posted2018/05/09 08:00

大阪桐蔭は選手の進学先を調査する。監督は大学の補強ポイントまで把握。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

入学前から卒業後まで続く西谷浩一監督の繊細な配慮が、大阪桐蔭野球部のブランドを支えている。

狙い通り大学経由でプロへ行った選手も。

 2012年、エース藤浪晋太郎(阪神)を擁して春夏連覇を達成したときの2番手投手は澤田圭佑だった。藤浪の陰に隠れがちだったが、大阪大会では藤浪を上回る5試合に登板するなど、西谷監督が「陰の立役者」と称えた選手だった。その労に報いるためにも、西谷監督は最良の進学先を見つけてやりたいと考えていた。

「澤田のレベルなら、明治とか、法政でもやれると思ったのですが、立教の投手陣がいちばん手薄だった。スカウトの意見も参考にしましたよ。立教だったら、すぐ投げられますかねって聞いたら、絶対に投げられるって言われました。社会人やプロに獲ってもらうためにも、1年生から使ってもらった方がインパクトがありますからね」

 結果的に澤田は1年生のときから主戦として活躍し、大学4年間で22勝を挙げ、大学卒業後はドラフト8位でオリックスに入団した。

 東京六大学という強豪リーグで、一度に多くのOBが活躍する理由――。それは単に「いい選手」を入れているからではなく、西谷監督が適材適所を見極めているからなのだ。

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