ひとりFBI ~Football Bureau of Investigation~BACK NUMBER
26年目のJリーグは攻めてナンボ!?
キーワードは「カウンタープレス」。
text by
北條聡Satoshi Hojo
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2018/02/23 10:30
Jリーグカンファレンスにも、攻撃的なサッカーを主導する監督たちが揃った。「引いた者勝ち」の時代は終わったのだ。
堅守が伝統の横浜まで攻撃サッカーに。
堅守を伝統にしてきた横浜FMがアンジェ・ポステコグルー新監督の下で敵陣にぐいぐい押し込む大胆な攻撃サッカーへ鞍替えし、堅守速攻に徹して残留を勝ち取った昇格2年目のコンサドーレ札幌もミシャ・ペトロヴィッチを新監督に迎え、後ろからパスをつなぐ戦法へ大転換を図った。
さらに、G大阪もレヴィー・クルピ新監督が「攻撃的に戦う」と宣言すれば、ヴィッセル神戸も新任の三浦淳寛スポーツダイレクターが「バルセロナのようなサッカーを目指す」とぶち上げた。
ひと足先にポゼッション志向を強めたベガルタ仙台を含め、パスワーク主体の攻撃的なサッカーへトライするクラブが明らかに増えている。
スタイルが同じなら、タレント力が勝負。
昨シーズンのJ1における1試合平均のボールポゼッション率をみると、1位がアジア王者の浦和レッズ、2位がJ1王者の川崎フロンターレだ。そして3位に鹿島、4位に柏が続いている。
今シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権を手にした4チームのうち、C大阪を除く3チームが上位に食い込んでいた。
概して似たようなスタイルで戦えば、人的資本(タレント力)に恵まれた強者が優位になる。戦力面で及ばぬ弱者は「位負け」しやすい。上には上がいるのだ。そこでポイントになるのがディフェンスだろう。
しかし、引いて守れば、パスをつないで押し返すのが難しくなる。しかも、自陣のビルドアップでミスが生じると、失点に直結しかねない。がっちり引くなら、カウンター狙いのプランBへ切り換えるほうが得策だろう。機に臨み、変に応ずる鹿島はこの分野のスペシャリストだ。