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ガンバ、クルピ就任を巡る全真相。
長谷川体制終焉を決めたあの試合。
posted2018/01/03 11:30
text by
下薗昌記Masaki Shimozono
photograph by
Getty Images
ガンバ大阪は、9月7日に今季限りで長谷川体制にピリオドを打つことを正式に発表した。その後任人事を巡って複数の外国人指揮官の名前が各スポーツ紙で取りざたされたが、実のところ、レヴィー・クルピ氏の一本釣りが水面下で、密かに、そして着実に進行していた。
2年連続の無冠に終わったばかりか、アジアチャンピオンズリーグでも2年連続でグループステージ最下位に終わる醜態。指揮官が、今季の新体制会見でもあえて熱望していた外国人ストライカーの獲得で後手を踏むなど、フロントの認識の甘さが今季の低迷の一因だったのは間違いない。
ただ、セホーン監督招聘時には強化本部のナンバーツーだった梶居勝志強化部長は、その後、強化本部長(当時)の立場で降格を経験。監督人事がクラブの命運を左右することを肌身で知るだけに、後任監督は慎重に、そして速やかに選定を進めて来たのは評価されるべき点であろう。
「ポスト長谷川」はガンバにとって重要課題だった。
もっとも「ポスト長谷川」は2017年のガンバ大阪にとって密かな最重要課題の1つだった。
「次の監督をどうするのかは今年のシーズン始まってからのテーマだった」(梶居勝志強化部長)
継続か、否か――。人事の実権を握る梶居強化部長も今季限りで契約が切れる長谷川監督の処遇をめぐり、ハムレットさながらに揺れていた。
実際、7月末には代理人を通じて契約延長の可能性も伝えていた梶居強化部長だったが、8月に入って、情勢は一変する。
梶居強化部長は言った。
「長谷川体制を継続することも選択肢かもしれないが、さらに次のステージに上がるために、契約が切れるこのタイミングでチャレンジする」