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W杯抽選会と日本の“5つの法則”。
ハリルJ、最良と最悪の組み合わせは?
 

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手嶋真彦

手嶋真彦Masahiko Tejima

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photograph byGetty Images

posted2017/11/27 12:15

W杯抽選会と日本の“5つの法則”。ハリルJ、最良と最悪の組み合わせは?<Number Web> photograph by Getty Images

ただポット1、2でも希望を持てそうな国はある。ハリルホジッチ監督のクジ運や、いかに――。

実は強豪よりも避けたいのは「2強2弱」?

 ポット3のワーストは、実績の上では日本が不得手としていない北アフリカ勢と欧州勢を外すと、コスタリカとセネガルが残る。セネガルは圧倒的なフィジカルを誇る優れたタレントが、とりわけ前線(サディオ・マネやケイタ・バルデ・ディアオなど)とセンターライン(カリドゥ・クリバリーなど)に揃っており、かなりの強敵だ。

 避けたいのは、いわゆる2強2弱の組み合わせという考え方もできる。ポット1と2がブラジル(アルゼンチン)+スペイン、あるいはドイツ+スペインといった優勝候補同士のセットとなった場合に、全体のヒエラルキーを崩すような大波乱を起こすには、セネガルのようなポテンシャル特大のダークホースが必要ではないか、という考え方だ。

 たしかに、潜在能力がセネガルよりも明らかに低いチュニジアを加えた、例えばブラジル+スペイン+チュニジア+日本という2強2弱が鮮明な組み合わせとなったほうが、日本の勝ち抜けはより困難になるかもしれない。

ロシアよりポーランド、クロアチアよりスイス。

 ベストシナリオについては、多言は不要ではないか。法則を重視するなら「欧州+欧州+アフリカ」の組み合わせがベターで、欧州は大国以外が望ましい。悩ましいのはポーランドかロシアか、となるポット1。どんな開催国にも地の利はあるはずなので、実力ではロシアをはるかに上回るポーランドがベストだろうか。

 もう1カ国の欧州は、アフリカをポット3から引き当てるとすれば、必然的にポット2の国となる。ベターなのは、日本がグループリーグ敗退に終わった'98年大会と'06年大会で同居したクロアチアよりは、戦力的に劣っているという意味でもスイスのほうだろう。

 ちなみに南米勢でタレントがもっとも小粒なペルーは、だからこそ不気味な存在で、組織の完成度を本大会までにさらに高めてきそうだ。すでに南米予選の終盤戦にはウルグアイを破り、アルゼンチンとは敵地で引き分けている。メキシコとは通算5戦して日本の1勝4敗('96年に勝利、'98年、'00年、'05年、'13年は敗戦)で、スイスとは過去10年で1戦1勝(対戦年は07年)だ。

 ポット3の“当たり籤”は、北アフリカ勢のどちらかだろう。エジプトには、独力で特大の違いを作り出せるワールドクラスのモハメド・サラーという切り札がある。与しやすいのは、'02年大会でも下しているチュニジアのほうではないか――。

【次ページ】 厳しい組み合わせでも希望を持てそうな国は……?

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