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1児の母として日本柔道強化を。
福見友子が捧ぐ「すべての情熱」。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byShino Seki

posted2017/10/15 08:00

1児の母として日本柔道強化を。福見友子が捧ぐ「すべての情熱」。<Number Web> photograph by Shino Seki

母であると同時に、日本柔道の強化に邁進する福見。その原動力はこれまで携わり続けた柔道に対する感謝がある。

「私はこれをやっていたから……」をしたくない。

 2014年から約1年間、イギリスのラフバラ大学に留学した。そこでの経験も指導の道に進む際の財産となった。中でも指標となったのは「いろいろな考えがある」ということだった。

「いろいろな人たちがいる環境で、1つのことに対して360度の視点があるのだと知りました。自分は100%正しいと思っていても、違う視点からすればそうではなくて、『そういう考え方もあるんだ、そういう風に見てみたら面白いんだ』と感じたことがたくさんありました」

 かねてからの思いと合わさって、自分なりの信念とともに選手と接してきた。

「自分のやってきたことはあくまでも自分のことで、ほかの選手たちにはほとんど通用しない。『私はこれをやっていたからあなたもできる』ということはしたくない。選手それぞれのストーリーがあります。成長度は違うし、スタートもゴールも違う。その中で、どれだけ頑張るかを引き出したいですね。自分で考えて自分で道を切り開いてほしい。そのためのきっかけになれれば」

世界選手権での好成績も現地で見守った。

 日本代表の場では「基本は同じですが、選手の所属先の先生が一番大事なので、先生方とコミュニケーションを取りつつ、代表合宿が直接指導する機会になります」。

 今夏にハンガリー・ブダペストで行なわれた世界選手権では、担当している48kg級、52kg級にそれぞれ2名が出場。48kg級は渡名喜風南が金メダル、近藤亜美が銅メダル、52kg級では志々目愛が金メダル、角田夏実が銀メダルと、全選手がメダルを獲得した。近藤を除く3名が世界選手権初出場の中での好成績を現地で見守った。

「4人だったので、浅見(八瑠奈)先生、秋本(啓之)先生にも助けてもらいながら、緊張もあるだろうし、流れも分からないので、いかに自然体で臨めるかのケアに努めました。ふだんの力を出せれば勝てると思っていましたから。大会への対策の面では、話し合いながら課題を伝えると、次の合宿までにちゃんとやってきてくれた。自分でやれる子達なんだなと思いましたし、選手がほんとうに頑張った結果だと思います」

【次ページ】 「松本薫も出産してから頑張っている」

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