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先行逃げ切り型のハリルジャパン。
劣勢時こそ布陣の“プチ整形”を! 

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2017/10/10 11:30

先行逃げ切り型のハリルジャパン。劣勢時こそ布陣の“プチ整形”を!<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

前線のファーストチョイスは大迫で決まりつつある中、前線の形を変えることで戦略も変えられるか。

W杯本番では断念したがザックは3-4-3を模索した。

「試合の中で顔を変えるためだ」

 これは、ブラジルW杯で日本代表を率いたアルベルト・ザッケローニ監督が、3-4-3のシステムを試す意図について語っていた言葉だ。ザックジャパンでは、本田圭佑や香川真司の守備での負担を減らし、よりサイド攻撃を強調するために、親善試合で何度も3-4-3のシステムをテストした。結果的に選手の理解度が上がらず、W杯本番で使うことを断念したが、退場者を出した相手を攻めあぐね、スコアレスドローに終わったギリシャ戦を見るかぎり、3-4-3のオプションは最後まで捨てるべきではなかった。

 チームの「顔を変える」ための方法は、大きく分けて2つある。ザッケローニ監督のようにシステムを変えてチーム全体の顔を“整形”するパターンと、システムはそのままに、人を入れ替える“部分メイク”で顔の印象を変えるやり方だ。

 南アフリカW杯で日本を指揮した岡田武史監督も、“整形手術”に踏み切った。大会直前のコートジボワールとの強化試合で、中盤の5人をフラットに並べるシステムを試し、本番でも採用した。ザッケローニ監督の3-4-3と異なり、より守備重視の顔にするための決断だったが、これが本大会でのベスト16進出につながったのは間違いない。

ハリルのシステム変化は4-3-3と4-2-3-1。

 ハリルホジッチ監督が試合中にシステムを変更するのは、中盤の底にアンカーを置く4-3-3から、トップ下を配置する4-2-3-1に変えるときぐらい。基本的には人を入れ替える“部分メイク”で、表情を変えようとする。ニュージーランド戦でも、そうだった。

「ボールを受けたがる選手が少ないと思ったので、常に相手の間に立つ、常に顔を出す。出したら動く、出したら動くことを意識した」

 小林祐希が言うように、この試合では1-1で迎えた後半15分に香川真司に代わって彼が、その10分後に武藤嘉紀に代わって乾貴士が入ったことで、中盤のパス回しとサイド攻撃がスムーズになり、同じく途中投入された倉田秋の決勝ゴールが生まれた。

【次ページ】 大迫と武藤の2トップなんて、どうでしょう?

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