プロ野球列島改造論BACK NUMBER
早くAI審判をプロ野球に導入しろ!
ダンカンが説く「神の誤審」の味わい方。
text by
ダンカンDankan
photograph byKyodo News
posted2017/10/09 08:00
1961年10月29日、日本シリーズ第4戦(後楽園)の巨人vs.南海戦。9回裏巨人2死満塁の場面で宮本敏雄が2点サヨナラ安打を放った瞬間。バッテリーはスタンカと野村克也。主審・円城寺満。
このままいけば、世の中なんでもかんでも自動化だ。
将棋の世界では人間のプロ棋士がすでにコンピューターの棋士に太刀打ちできないそうではないか。
その上コンピューター棋士はAI(人工知能)で自ら学習する力を持っていて、人間がデータ入力やプログラミングをしなくても勝手に進化していくというではないか。
このままいけば、世の中のかなり多くの物事が機械・コンピューター・AIに取って代わられるのは間違いない。
だったらプロ野球の審判も自動化・AI化を急ぐべきではないのか?
何べんも繰り返しになるが、日常生活のすべての場面でこういったハイテク化が急速に進んでいる現実があるからこそ、1日も早い審判の自動化の試験をしてもらいたいのである。
なぜなら……自動審判での判定は間違いなく「つまらねー!」に決まっているからだ! それをとっとと証明したいのだ!
神が過ちを犯すから……野球は面白いのだ!
審判はグラウンドでは神様なのだ。
その神様が誤審をするから野球は面白いのだ。
そしてそこに人間ドラマが生まれるのである。
だけどこのままITやらなにやらが進歩し続けたら、30年後にはグラウンドから人間の審判が姿を消しかねないと――俺は本気で心配している。それだけは何があろうが阻止しなければなるまい。
ならば早い段階で、あえて一度自動審判を試してみて、「野球の醍醐味を否定しかねないその味気無さ」をキッチリ証明しておきたいのだ。
そして「やはり野球の審判は人間でなければ成立しないよな!」という永遠に通用させるべき野球界の決まりを作ってしまいたいのだ。