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1年おきにボールが変わっては……。
バレー強化の意外な「落とし穴」。

posted2017/09/20 08:00

 
1年おきにボールが変わっては……。バレー強化の意外な「落とし穴」。<Number Web> photograph by AFLO

サーブを武器にする必要がある日本にとっては、国際大会と国内大会でボールが違うのは影響が大きいといえるだろう。

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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 バレーボール全日本男子の今年最後の国際大会、ワールドグランドチャンピオンズカップ2017(グラチャン)が9月17日に閉幕し、日本は5戦全敗に終わった。

 出場国は昨年のリオデジャネイロ五輪金メダルのブラジル、銀のイタリア、銅のアメリカ、世界ランキング8位のイラン、9位のフランスと、いずれも日本(世界ランキング12位)より格上。イタリア、イランから1セットを奪うのがやっとで、世界トップとの力の差を見せつけられる結果となった。

 21歳のエース石川祐希が大会前から腰痛を抱えており、第2戦のフランス戦では右膝を痛め、3戦目以降は欠場となった。10月にはイタリア・セリエA開幕を控えているだけに状態が心配される。

 ただそのポジションで、1カ月前にミドルブロッカーからアウトサイドに転向したばかりの身長201cmの小野寺太志や、今年代表初招集の山本将平、山田脩造を世界トップレベルを相手に試すことができたのは収穫だった。

高さやパワー以前に、基本的なプレー精度が劣った。

 また、今年初代表のセッター藤井直伸が、世界トップレベルの高く組織的なブロックに対しても果敢にクイックを使い、課題だったミドルブロッカーに存在感を発揮させたことは日本の進歩だった。

 ただ、そうした収穫に浸れるほど世界との差は小さくない。

 問題は高さやパワーだけではない。それ以前に、例えばつなぎのトスやチャンスボールの返球など日本が上回るべき基本的なプレーの精度で劣っていた。今大会、日本は身長2m以上の選手を5人揃えるかつてないメンバー構成だった。それは2020年、さらに'24年パリ五輪を見据えれば非常に明るい材料ではあるが、プレーの精度で劣っていてはいつまでも勝てない。

【次ページ】 ジャンプフローターサーブが日本の課題だった。

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