スポーツに役立つ法律知識~教えてオジオ先生!~BACK NUMBER
クラブ活動って“ブラック”なの?
学校の先生が部活の顧問を断る方法。
posted2017/08/21 08:00
text by
小塩康祐Kosuke Ojio
photograph by
Tamon Matsuzono
< 質問 >
私は、公立中学校でサッカー部の顧問をしています。やる気がある生徒が多く、授業のある平日はボールが見えなくなるまで、土日も、練習試合が毎週あります。また、夏休みや冬休みもほぼ毎日、練習や試合があり、休みがほとんどありません。
普通の企業であれば、勤務時間外や休日に出勤した場合、残業手当や休日手当が支払われると思うのですが、私は、どれだけ働いても、教職調整額として月額給与の4%が支払われるだけです。
私の学校では、他の先生も、全員、何らかの部活の顧問をしているのですが、納得していない先生が多いです。部活自体を否定するつもりはありませんが、あまりにも過酷であり、これ以上続けられません。どうしたらいいでしょうか。
今回は、学校の先生からの質問にお答えします!
前回は生徒の連帯責任は問題があるということを生徒からの質問に対して回答しました。今回は、先生側からの質問に対して回答します。
最近、学校の部活に対して「ブラック部活」等という否定的な意見をよく耳にします。その理由として質問にもあるように、残業手当が支払われないことや、あまりにも長時間の拘束があるように思います。
私自身、中学、高校、大学と部活をしていました。部活により成長ができ、部活で出会えた恩師や仲間は何物にも代え難い私の財産です。部活はまさに私の青春そのものですので、部活それ自体を否定するつもりは全くありません。
しかし……そこに問題があるのであれば、改善するようにしなければならないと思います。
その観点から、質問にお答えできればと思います。
なお、私立学校については、各々の就業規則等に基づく契約内容によって千差万別で一律に論じることはできませんので、今回は公立学校に絞って説明します。
そもそも、部活って何?
そもそも、部活はどのような性質を有するのでしょうか。
部活というと学校活動の一環と考える方が多いと思いますが、実は、各学校が定める教育内容には含まれておらず、あくまで「生徒の自主的、自発的な参加により行われる」活動とされています(学習指導要領参照)。
生徒の任意に基づく活動ですので、生徒は入部を強制されることも無いのです。