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内田・香川以来の快挙まであと1つ!
U-19を支える2人のCBの波及力。

posted2016/10/24 13:00

 
内田・香川以来の快挙まであと1つ!U-19を支える2人のCBの波及力。<Number Web> photograph by AFLO

今大会に臨んでいるU-19日本代表のメンバー(イラン戦より)。後列左端から冨安健洋、神谷優太、中山雄太、舩木翔、小川航基、小島亨介。前列左端から堂安律、中村駿太、初瀬亮、長沼洋一、坂井大将。

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安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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AFLO

 いよいよこの時がやって来た。

 AFC U-19選手権2016バーレーン、決勝トーナメント・準々決勝。今日、タジキスタンとの一戦に勝利を収めれば、来年韓国で開催されるU-20W杯の出場権を手にすることになる。

 日本がこのキップを最後に手にしたのは、10年前の2006年まで遡らないといけない。この年、槙野智章、柏木陽介、内田篤人、森重真人、香川真司らの年代が、インドで開催されたAFC ユース選手権(現AFC U-19選手権)で準優勝を果たし、翌年カナダU-20W杯に出場している。それ以降、U-20日本代表チームは4大会連続でU-20W杯のキップが懸かったアジア最終予選の準々決勝で敗れているのである(AFC U-19選手権は2年ごとの開催)。

「この一戦を越えるために1年半準備をしてきた」

 U-19日本代表を指揮する内山篤監督が決戦を前にこう口にしたように、彼らは「歴史を変えよう」を合言葉にして昨年から戦い続けてきた。今大会ではグループリーグを2勝1分けで1位通過し、今後の活動存続か解散かの分岐点となる、準々決勝までやって来たのである。

過去のチームと異なる、2CBの抜群の安定感。

 これまでのグループリーグ3戦で目立っているのは、「守備の安定感」だ。それは、中山雄太と冨安健洋という将来性抜群のCBの存在が大きい。2人とも柏レイソルとアビスパ福岡でレギュラーを掴んでおり、「実戦経験を重要視している」という内山監督の選手選考の中でも、肝となる存在だ。

 今大会ではJリーグで積み重ねて来た自信と技術を、この2人が惜しげも無く披露し、3試合無失点という結果を残している。

 過去を振り返ってみると、世界を逃し続けた4大会では、守備の不安定さが敗退の大きな要因になっていたように思う。

 2008年、2010年はCBが共に170cm台と高さが足りず、準々決勝で韓国のロングボールを弾き返せないまま、敗戦の時を迎えた。

 2012年はCBに高さはあったが、攻守が全くと言っていいほど噛み合わず、グループリーグ初戦でイランのロングボールへの対応に苦戦し、あっさりと0-2で敗戦。何とか準々決勝まで駒を進めたが、グループリーグ3試合で僅か1ゴール(ゴールを挙げたのはCB岩波拓也)の攻撃陣が最後まで力を発揮できず、最後はイラク相手に1-2で敗退している。

 2014年もグループリーグ初戦で中国のロングボールへの対応に苦戦し、2大会連続で初戦を落とすと、準々決勝の北朝鮮戦でもミスから失点し、PK戦の末に敗れている。

【次ページ】 「失点は無い」という意識が、攻撃も活性化させた。

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