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牝馬の難しさを再認識した秋華賞。
ビッシュはなぜ10着に大敗したのか。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2016/10/17 11:50

牝馬の難しさを再認識した秋華賞。ビッシュはなぜ10着に大敗したのか。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

7月に500万下条件を勝って、そこから紫苑ステークスで2着、秋華賞でGI初制覇をなしとげたヴィブロス。まだ底は見えていない。

「牝馬は難しい」としか言いようがないビッシュの大敗。

 掲示板に載った5頭のうち、4頭が5番人気以内の馬だ。

 順当と言えそうな決着ではあったが、上位人気馬では、1番人気のビッシュだけが10着に沈んでしまった。

 ビッシュは、他馬と横並びのスタートを切り、ゲートを出たなりの競馬をしているうちに自然と位置取りが後ろになった。鞍上の戸崎圭太が、馬のリズムを最優先にした結果のことだ。道中早めに動いても最後まで伸び切る力があることは前走で確認済みだったし、少し前にジュエラーなどほかの有力馬もおり、けっして後ろすぎたわけではなかった。

 向正面で早めにじわっと進出し、3、4コーナーを回りながら前を射程にとらえようとしたが、そこまでだった。

 せめてそこから差を詰めていれば納得できたのだが、ヴィブロスからコンマ8秒、4馬身ほども離されたままゴールしたのだから、戸崎同様、首を傾げざるを得ない。

 騎乗ミスではなかったし、パドックでも落ちついており、状態はよく見えた。

 馬体重は、前走から2キロ減った418キロ。美浦から京都までの輸送があったことを考えると、「2キロしか減らなかった」と言うべきだろう。

 初めての長距離輸送をしての競馬が、目に見えないところで負担になっていたのか。それとも、第7レースの1000万円下の条件戦でも1600m1分32秒2で決着するほどの高速馬場に対応できなかったのか。あるいは、休み明けの前走を快勝したあと緊張の糸が切れ、いわゆる「二走ボケ」をやってしまったのか。

 牝馬は難しい、のひと言で片づけてしまうと、馬券を買うファンは金がいくらあっても足りなくなるのだが、あえて言いたい。牝馬は難しい。

歴代優勝馬の中で最も軽い414キロの女王誕生。

 もともと18頭の出走馬のうち12頭が関西馬だったのだが、1着から9着までを関西馬が占めた。また、上位3頭はどれもGI初出走の馬だった。

 このレースのプレビューで、筆者はビッシュを本命とし、「小さな女王の誕生」と書いたが、勝ったヴィブロスはさらに軽い414キロだった。歴代の秋華賞優勝馬のなかで最軽量だ。

【次ページ】 同世代の強豪が復帰しての女王対決が楽しみ。

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