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リオ五輪初戦、相手が見えない困難。
手倉森監督は4-3-3を“いつ”使う? 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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posted2016/08/04 11:40

リオ五輪初戦、相手が見えない困難。手倉森監督は4-3-3を“いつ”使う?<Number Web> photograph by AFLO

手倉森監督は、最大の賛辞とともに興梠慎三の招集を発表した。初のメジャー国際大会で、どんな存在感を発揮してくれるだろうか。

4-3-3に込められた3つのテーマとは。

 未知の要素が強い相手だけに、手倉森監督は警戒心を強める。試合前日のミーティングでは、選手たちにこう語りかけた。

「敵はまだここに来ていない。ただ、ナイジェリアは金メダルを取ったこともある強豪だ。自分たちの準備に対して自信と確信を持って大会に入りつつ、ナイジェリアの状況は頭のなかからすべて排除するんだ」

 打倒ナイジェリアのプランとして、手倉森監督は4-3-3の採用を示唆する。攻撃の糸口を見つけられなかったブラジルとのテストマッチを受け、「耐えて守って鋭く攻める。時間をうまく使う。ボール保持率を高める」という3つのテーマをピッチ上で表現するために、4-4-2でも4-2-3-1でもないシステムを選ぶことを匂わせた。8月2日の練習で、4-3-3のフォーメーション練習に時間を割いたのだった。

1トップは興梠、実は難しい相棒選び。

 1トップは興梠慎三である。所属する浦和レッズと似た役割を担うことで、30歳のオーバーエイジはよりスムーズに機能しそうだ。

 当初の予定どおりに久保が合流できていれば、彼と興梠で2トップを組むこともできただろう。4-4-2はチームのベースとなってきたシステムである。

 鈴木と興梠はどうか。背後へ抜け出すスピードを持った185センチの長身と、ポストワークに秀でる175センチのコンビは、興味深い化学反応をおこしそうな期待を抱かせる。

 問題は時間だ。チームに合流したばかりの鈴木は、興梠とのコンビネーションを煮詰め切れていない。暑熱対策と時差調整も遅れているだけに、スタメンで起用するのは少しばかりリスクが伴う。

 そうかといって、浅野拓磨と興梠のコンビを選んだら。ジョーカータイプがいなくなってしまう。「日本としては追いかけたくない。先に取りたい」と手倉森監督は話すが、ビハインドを跳ね返す準備にもぬかりはない。「最後にスキを突いて仕留められれば」というイメージには、浅野の途中出場が含まれているはずだ。今年1月のリオ五輪アジア最終予選決勝で、価値ある2ゴールをマークした活躍の再来が。

【次ページ】 銅メダルの1968年も、初戦がナイジェリアだった。

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