リオ五輪初戦、相手が見えない困難。
手倉森監督は4-3-3を“いつ”使う？

　波乱の前触れか、不幸の兆候か、それとも幸運の先駆けか。リオ五輪第1戦を直前に控えて、サッカー五輪代表の周辺が騒がしい。

　手倉森誠監督が率いるチームは、久保裕也を欠くこととなった。日本サッカー協会はギリギリまで招集の可能性を探ったが、所属するヤングボーイズのチーム事情が久保の合流を許さなかった。

「彼はこの世代のエースだ、海外組だ、ということを、自分が思い過ぎたのかもしれない。こだわり過ぎたかな」と、手倉森監督は揺れ動いた胸中を明かした。それでも、超がつくほどポジティブ思考な指揮官は、すぐに前を向く。

「裕也は無念だと思うが、彼が来られないことを残念がってばかりもいられない。（4人のバックアップメンバーを含めて）五輪を戦う22人が決まって、戦う覚悟がより固まった。このチームの活動では、いつもアクシデントが起こる。そのぶんドラマティックなことを起こせる。今回もそういう大会にしたい」

　久保に代わって18人のメンバーにエントリーされたのは、バックアップメンバーのひとりとしてチームに合流したばかりの鈴木武蔵である。前線に高さをもたらすアルビレックス新潟のFWは、「チームのために自分ができることを考えるのは、バックアップメンバーのときと変わらない。ゴールを決めて勝利に貢献したい」と、落ち着いた口調で語っている。

ナイジェリアの到着遅れは吉兆か？

　もっとも、久保を欠くシナリオは1週間以上前から描くことができていた。それ以上に想定外なのは、ナイジェリアのブラジル入国が大幅に遅れたことだろう。事前合宿地のアトランタで足止めを食らっていたサムソン・シアシア監督のチームは、あろうことか試合当日の8月4日（現地時間）に開催都市マナウスへ到着するというのだ！

　コンディションでは明らかに日本が有利である。だからといって、勝利が保証されたわけではないだろう。

　ナイジェリアにまつわる情報は、憶測によるものが少なくない。資金難にまつわるシアシア監督の嘆きは早くから伝えられていたものの、ジョン・オビ・ミケルがオーバーエイジで加わったチームの全貌は、つかみきることができないままだ。チェルシーに所属する中盤のダイナモは、ナイジェリアをどこまでパワーアップさせているのか。情報が少ないだけに、むしろ不気味である。

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