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南相馬は、相馬野馬追だけじゃない。
「馬女」に嬉しい温泉、厩舎、美食。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byAkihiro Shimada

posted2016/07/27 11:15

南相馬は、相馬野馬追だけじゃない。「馬女」に嬉しい温泉、厩舎、美食。<Number Web> photograph by Akihiro Shimada

京都ジャンプを勝ったタマモグレアーも、今はのんびりと暮らしている。毛ヅヤの良さが、環境のよさを物語っている。

NHKマイルで2着になったあの馬も。

 南相馬市中心部からほど近いここには14頭のサラブレッドと、ポニーと中間種が1頭ずつの、計16頭が繋養されている。

 名称は「ライディングセンター」だが、馬乗りをしているのは、ここに所有馬を預けている人や、野馬追のときここから出陣する地元の人ばかり。観光で来た人にできるのは、厩舎や放牧地で馬と触れ合ったり、一緒に写真を撮ったり、というところまでだ。

 ここにいる馬で、競馬ファンに特になじみのあるのは、2011年の毎日杯とNHKマイルカップで2着になったコティリオン(セン8歳、父ディープインパクト)と、同じ'11年の京都ハイジャンプ(J.GII)を勝ったタマモグレアー(セン12歳、父ジェニュイン)あたりか。

「タマモはここ2年連続、野馬追の騎馬武者行列に参加しています。先日、この馬に会いに、関東のほうから女性が3人でいらっしゃいましたよ」

 と代表の松浦秀昭さん。

市役所やコンビニに馬で、というアイディア。

 訪ねてくる場合は、できれば2、3日前に連絡してほしい、とのこと。

「ここが馬の街というなら、ちょっと馬で用事を足せるよう、市役所やコンビニに馬をつなぐことのできるスペースをつくるくらい思い切ったことをしてもいいのでは、と市役所の人に提案したいと思っています」

 と松浦さんは笑う。

 確かに馬は道路交通法では軽車両なので、野馬追の時期は車道を歩いている。横浜の馬車道のように、馬が水を飲むための水槽や桶を(できればお洒落に)常設するなどしても面白いかもしれない。

 なお、「好きっぷ馬っぷ」で紹介されている、乗馬ができる施設は2カ所。どちらも要予約で、有料だ。

【次ページ】 被災地から観光地への転換。

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