SCORE CARDBACK NUMBER
4年連続で売上記録更新。大盛況のセレクトセール。~平均1億超えのディープ、種付け料はすでにSS以上~
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph byJRHA
posted2016/08/07 10:00
当歳ではともに牡のマルペンサの2016(写真)とイルーシヴウェーヴの2016が最高額で落札。
国内最大の競走馬市場「セレクトセール」(7月11、12日、苫小牧市・ノーザンホースパーク、日本競走馬協会主催)は、4年連続で売り上げレコードを更新する大盛況。落札総額は149億4210万円、平均価格は3831万円余(ともに消費税別)と、限界値に近いところまで突き抜けてきた。ギリシャショックの直後だったのが昨年、今年も英国のEU離脱ショックという悪い材料があった直後の開催にもかかわらず、この好景気は不気味なほどではないか。
牧場別の分析では、ノーザンレーシング、ノーザンファーム、レイクヴィラファームの“ノーザン系”が、168頭もの上場で見事に完売。売り上げ高の占有率で56.59%と、凄まじいばかりの数字を残した。社台ファームが113頭を上場して102頭の落札。90.3%という売却率も本当は素晴らしい数字なのだが、ノーザンと比較すると物足りなく感じる。占有率でも24.24%とダブルスコアに甘んじた形だ。ちなみに、ノーザンでも社台でもない、いわゆる「非社台系」だけで集計すると、売却率は59.9%で、売り上げの占有率は17.68%。実質的に、このセールがノーザンと社台のプライベートなものであることは明らかなのだ。