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宮里藍の好調は「2g」の変化にあり。
「勝ちたい」からこその微調整。 

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南しずか

南しずかShizuka Minami

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photograph byShizuka Minami

posted2016/07/13 17:00

宮里藍の好調は「2g」の変化にあり。「勝ちたい」からこその微調整。<Number Web> photograph by Shizuka Minami

力強いまなざしでショットの時を待つ宮里藍。

わずか『2g』の違いがバーディーを量産する理由に。

 アーモンド型の大きな目をキラキラさせながら続ける。

「修正してもらえたのは、すっごい大きかったです! 試合をこなしていくと、体が動いてくるのでスイングスピードが上がるんですよ。シャフトが軽くなって、(スイングの)タイミングが変わってきたなと感じてたので」

 わずか『2g』。1円玉2枚分の違いである。

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 この『2g』の違いが、去年よりバーディーを量産する理由だ。6月のショップライト、アーカンソーでは最終的に順位を落としたものの、初日は好順位につける。印象的だったのは、アーカンソーの最終日の5番グリーン。短いパットを外した時、普段からポーカーフェースでプレーする宮里が、珍しく唇を噛んで下を向いた。「すごく良い方向に向かってるので、あとちょっとの我慢なのかなと」

 久しぶりに見せる種類の悔しさから、本気で優勝を狙う準備ができていることが垣間見えた。

一時期絶不調に陥ったパットも復調傾向に。

 今年のパットは『オデッセイホワイトホット2ボールパター・プロトタイプ』。去年より一回りグリップが細く、ヘッドが大きいパター。つまり、よりコントロールしやすい。

 宮里は3年前にパットの絶不調に陥る。パットに恐怖心が芽生えてしまったため、昨年はグリップが太いパットを使った。ストローク中に余計な操作が入りにくいので、気持ち的に安心して打てるからだ。“絶不調だった'14年”と“恐怖心を克服した'15年”を比べると『平均パット数116位→58位』と復調してきたことがわかる。だが、平均パット数58位では、パットを武器に世界1位に上り詰めた宮里からすると、まだまだ物足りない。

「パットの恐怖心を克服できて『自分のストロークがしたい』と思い始めた時に、自分の手とグリップのサイズがあってないことに気づいたんです」

 父親の優さんが勧めてくれたパットはしっくりきたはずだった。だが、ストロークは良いはずなのに、ボールの転がりが悪く、結果がついてこなかった。

【次ページ】 パターのロフト角も『2度→4度』に微調整。

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