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ついにMotoGP開幕&見どころ紹介。
ホンダ・ヤマハ以外の躍進で大混戦!?
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph bySatoshi Endo
posted2016/03/19 10:40
開幕戦にあたり、記者会見場に姿を見せたトップライダーたち。左からビニャーレス、ペドロサ、ロッシ、ロレンソ、マルケス、イアンノーネ。
昨季とはまったく違うフィーリングになったマシン。
シーズン開幕を前に行われたプレスカンファレンスで、ディフェンディングチャンピオンのロレンソがこう語った。
「この5~6年はスタートから全力で行けたが、今季は同じようには出来ないと思う。勿論、タイヤがブリヂストンからミシュランに代わり、フィーリングも変わった。電子制御もこれまでのような繊細さがなくなり、アクセルコントロールが難しくなっている。ただ、ウインターテストそのものは、期待以上にうまくいった」
今年は、マレーシア・セパン、オーストラリア・フィリップアイランド、そして開幕の舞台となるカタール・ロサイルで3回9日間の公式テストが行われた。
その3回のテストでロレンソは、「去年に比べれば劣る部分はある」としながらも、セパンとロサイルではトップタイムをマークするなど、ライバルとの比較では満足のいくテストができたようだった。
しかし、そのロレンソもフィリップアイランドでは、満足のいくアタックが出来ず、あっという間に9番手へとポジションを落としている。
チームメートで最大のライバルになるであろうロッシも、マレーシアでのテストでは2番手と絶好のスタートを切るも、オーストラリアでは6番手、カタールでは5番手だった。ホンダ勢のマルケスは、マレーシアで5番手、オーストラリアでは3日目にトップに立つも総合2番手、カタールでは4番手と総合タイムでは一度も首位に立てず仕舞い。
ペドロサに至っては、マレーシア11番手、オーストラリア8番手、カタール10番手と混戦の中に埋もれるリザルトが続いた。
ドゥカティは共通ソフトウエアの扱いで一歩リード。
対照的に、スズキのビニャーレスは安定的にトップグループでの走りを続けて注目を集めた。
オーストラリアでは総合トップ。カタールでも総合3位と優勝戦線に名乗りを挙げた。さらに、ワークスチームとサテライトチームを含め今季最多8台が出場するドゥカティ勢も、共通ソフトウエアを製作している“マニエッティ・マレリ製”ソフトウエアを長く使っていたという一日の長もあって対応も順調なことから上位に進出。ホンダ、ヤマハの2ワークスと接戦状態を作り出している。