モーターサイクル・レース・ダイアリーズBACK NUMBER
マルケス、ロレンソの強さ際立つ!
なぜMotoGPでスペイン人は速いのか?
posted2016/04/17 10:40
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph by
Satoshi Endo
ロードレース世界選手権(WGP)は、カタールGP、アルゼンチンGP、アメリカズGPと3戦を消化した。
開幕戦カタールGPの直前予想では「今年もホンダ、ヤマハの2ワークスの4選手のチャンピオン争いになることは間違いない。ただ、これまでのような4強の独占状態にはならないだろうというのが、今年のシーズン前半の予想である」と書いたが、ほぼ予想通りの展開となっている。
開幕戦カタールGPでは、ディフェンディングチャンピオンのホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)が優勝した。
第2戦アルゼンチンGP、第3戦アメリカズGPの連戦では2年ぶりのタイトル奪還を目指すマルク・マルケス(ホンダ)が制した。
ロレンソはマヨルカ島、マルケスはバルセロナ近郊のセルベーラという小さな街の出身で、ともにスペイン人。タイトル獲得は2012年がロレンソ、'13年、'14年がマルケスで'15年がロレンソと、この2人が4年連続で制してきた。
そし'16年も開幕からの3戦をこの2人が制し、スペイン人ではダニ・ペドロサと、バレンティーノ・ロッシ、アンドレア・ドビツィオーゾ、アンドレア・イアンノーネの3人のイタリア人が表彰台に立ってきたが、3戦を終えた段階では、今年もスペイン人の2人が一歩リードした格好だ。
何に乗っても最速で走る、マルケスの天性。
人気ではベテランのロッシがナンバー1だが、'13年に史上最年少記録の20歳で世界最高峰クラスを制したマルケスがそれに続く。若くて速いとなれば当然のことだが、マルケスの子供たちからの人気は抜群で、これから世界を目指す若いライダーたちの目標になっている選手である。
マルケスは、類い希なライディングセンスの持ち主で、レースのないときには、暇さえあればモトクロスやフラットトラックに乗っていて、このカテゴリーでも、世界のトップライダーたちに引けを取らない走りを見せる。まさに、何に乗せても速いライダーなのだが、マルケスのバイクに乗るセンスというのは、持って生まれたものだろうと思うのだ。