パラリンピックへの道BACK NUMBER
競泳バタフライの代表候補、西田杏。
パラ五輪の夢は絶対にリオでかなえる!
posted2016/02/25 10:50
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Shino Seki
会うたびに笑顔だ。立教大学のポール・ラッシュ・アスレティックセンターにある室内温水プールで、インタビューの場で、いつも笑顔で、臆せず話をする。
「アナウンサーになりたいと思っていたことがあるんです。昔から、人前に出るのが好きでした。中学校の時も朝会とかあるじゃないですか。そういうときにみんなの前で喋ることも好きでしたね」
そう言いつつ、西田杏は、また笑う。
1月下旬、オーストラリアの大会に出場し、100mバタフライで、念願のリオデジャネイロパラリンピック参加標準記録を突破した。参加標準記録をクリアしていなければ、パラリンピックへの出場資格が得られない。
「代表に決まったというわけではないですけど、代表へのスタート台に立てたと自分では思っています」
それも笑顔の理由かもしれない。
競技と学業の両立にも「苦には感じない」。
現在は東京学芸大学1年生。自宅の所沢市から大学のある国分寺まで通う。通学時間は片道1時間ほど。
峰村史世コーチにより結成されたパラ水泳クラブチーム「峰村パラスイムスクワッド」の一員として各所のプールで練習に打ち込む。平均的なスケジュールのときは週に6日、プールで泳ぐ。一回の練習は「2時間のときは4500m泳ぎます。2時間半とか3時間だと5000mから6000m弱になるときもあります。土曜日は午前午後の2部練習のことが多いです」
プールでの練習に加え、週に5日間、ジムでトレーニングを積む。
「初動負荷って言うんですけど、体の可動域を広げるトレーニングをしています」
学業との両立も考えると、ハードに思える。
「でも、誰かに強制されているわけじゃなく、自分でやっていることなので、苦には感じないです」
やはり笑顔で答える。