パラリンピックへの道BACK NUMBER
競泳バタフライの代表候補、西田杏。
パラ五輪の夢は絶対にリオでかなえる!
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byShino Seki
posted2016/02/25 10:50
昨年には日本新記録も更新するなど成長著しかった西田。リオデジャネイロだけでなく、もちろん東京大会も視野に入れる。
「トップになりたいじゃなく、自分もなれる」
はじめは2020年の東京大会を目標に思い描いていた。上達するにつれ、リオが現実のものとして見えてきた。
2月中旬には、国際パラリンピック委員会水泳部門から各国の出場枠数が発表され、日本は男子12名、女子7名を獲得した。選考の基準は「上位入賞の可能性のあるもの及び2020年東京パラリンピックにつながる記録をもっている選手から選考する」。参加標準記録は突破している西田にとって重要なのが、3月6日に静岡県富士水泳場で行なわれる「春季静岡水泳記録会兼リオ・デ・ジャネイロパラリンピック派遣選手選考会」の成績だ。
「自分は絶対に行くと思って、毎日練習しています」
目標があるからこそ、辛くなることもあった。大会で思うような結果が出なかったときには涙が出そうになる。練習が辛いときだってある。
でも、目標を見失うことはない。
「大会でトップの選手を間近で見るたびに感動するし勇気づけられるし。自分もああなりたいって強く思う。なりたいじゃなく、なれると思っています」
ふと尋ねる。今まで、しんどいと思ったことは? 西田は答える。
「そんなに大きな、しんどかったことはないかもしれない。あるのかな? たぶん忘れちゃってる」
泳げないと思われたくない、みんなと泳ぎたいの一心で始めた小学生の頃。必死でついていった高校入学後。「負けず嫌い」と自らを分析する言葉そのままに続けてきた水泳で、国際大会にも何度も出場し、広い世界と出会った。
その世界に足を踏み入れた今、いつかトップに立つ日を信じて、練習に励んでいる。